晴れた今朝は4日ぶりとなる近所の川へ。早瀬には色づき始めたオイカワのオスがいい場所を陣取っていたが、そこにアユの群れが上ってきた。なんとなくこの流れは俺たちの場所だと言わんばかりの勢いでズンズン進み、オイカワは少し後退したように見えた。
昨年はオイカワの産卵行動を熱心に観察したので、今年は近似種とも言えるカワムツの産卵行動を観察してみたい。・・と思って、このところ少し上流域を歩いている。イワナとヤマメの関係ではないが、カワムツはオイカワに比べると上流にいる傾向がある。トロッとした少し深い流れを見ると、小さなカワムツが数匹群れていた。大型のオスにも出会えると良いのだが。
昭和44年(1969年)発行の中央新書『川と湖の魚たち』(川那部浩哉著)には「オイカワとカワムツ」という小編が収められており、文字通り、オイカワとカワムツの違いが綴られている。そこには「ヤナギにカワムツ」という表現がある。カワムツはヤナギの覆いかぶさった淵にいることが多いという。「ヤナギにカワムツ」。夏まではこれをテーマに観察をして川を歩いてみたいと思った。

瀬にはまだ、産卵を意識したニゴイが残っている。この日も2ペアのニゴイを観察することができた。上写真のペアは黒いほうがメス。オスは産卵直前になるとメスよりも体色が明るくなるのが特徴だ。
もう1ペアは、すでに数回の産卵を終えたようで、メスは頭の大きさが目立った。ふらふらと時折、下流に引かれる流れに出ては、オスが身を緩やかに震わせてメスの前方を横切る。しばらく見ていると、メスが産卵直前の行動であるスパスパ(エッグポケットの掃除)を行い、そのまま放卵・放精を行った。ニゴイの産卵行動はいつ見ても美しいが、なかでも他のオスが近くにおらず、1対1の行動を長く続けているペアの産卵行動が好きだ。さらにメスがオスよりも少し大きな体のペアは、オスの求愛をメスが制するような雰囲気もあり、味わい深い。
カワムツには、オイカワではなかなか見られないほど大型のオスがいる。それがどのような産卵行動を見せるのか。そんな出会いがあるとよいな。〈若林〉□
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