
それは山裾の民家の軒先にある、ひとまたぎできそうな小さな川だった。コンクリートでできた1mほどの段差が続けてふたつ。40㎝を超えるサクラマスにとっては、なんてことのない高さのはずだ。
それは山裾の民家の軒先にある、ひとまたぎできそうな小さな川だった。コンクリートでできた1mほどの段差が続けてふたつ。40㎝を超えるサクラマスにとっては、なんてことのない高さのはずだ。
息を潜めて40分、ようやく一匹が岩場から顔を出した。水中に沈めたカメラを覗き込むようにして少し顔を出してはまた隠れ、次に顔を出したのは20分後。その次は10分後。いいぞ、と思ったら次はまた20分も出てこない。