今日も朝方、少しだけ川へ。

桜は満開。そして風がびゅっと吹くと、時が止まったような桜ふぶきに包まれます。永遠の瞬間を感じる季節。


コサギも随分と色づいてきました。頭の羽が誇らしい。

瀬には5、6匹と小さな群れですが、ログ・サーモンことマルタが差していました。

3日前に打ち上がったマルタ。ハシボソガラスのご馳走に。

メタリックなハエたちのご馳走にも。目玉は鳥たちの大好物です。

瀬では今年もニゴイたちが産卵行動を始めました。この水飛沫はオス同士の闘争シーン。(これは昨日の写真です)

ニゴイは本当に美しい魚です。
産卵行動を観察するまでの私は、釣りの対象魚としてニゴイを見ていました。その時からかっこいい魚であるなとは思っていましたが、美しいと感じるようになったのは産卵行動を観察してからです。じっくりと見て、写真に収めて、そのたびにニゴイの新たな美しさに気づきます。

今日も最高の瞬間を見ることができました。
少しだけ説明しますと、上(上流側)にいるのはメス、その右下(下流側)に寄り添うように体を傾けているのはオスです。オスは通常、メスよりも黒っぽい色をしていますが、産卵(放卵・放精)の瞬間になると、ぐわっと色がベージュというか黄金色に変わります。そしてオス・メスともに身を震わせ、河床の砂礫を巻き上げながら、卵を精子を放出します。

桜咲き、桜散る季節に、今年も美しいニゴイの姿を観察することができました。

自分の中でニゴイの美しさがまた少し更新された朝でした。□〈若林〉
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