このところ、仕事前のウォーキングがてら、近所の川でオイカワの産卵行動を観察している。数例の観察から、少しずつ放卵・放精に至るプロセスのパターンが掴めてきたが、そのなかで興味深いのは、放卵・放精の行動に入る直前にオスが見せる「覆いかぶさり行動」だ。

メスの上にポジショニングすると、こんな感じに美しく色づいた胸ビレと腹ビレを左右にまるでトビウオのようにバッと開くのだ。その直後に身体を激しく震わせながら、メスに押し付けるように倒していき、放卵・放精へと至る。
なんというか、配偶相手としてメスに認めてもらうためのアピールのようにも見える。とても美しい行動だ。

少し斜めから見るとこんな感じ。
背ビレや臀ビレは、他のオスに対しての威嚇や、まだ距離のあるメスに誇示する際にはグッと張るように思えるが、横に張り出す胸ビレと腹ビレは、メスに安心感を与えるため?の最後のアピールに使われるように見えた。
【お知らせ】
川辺の自然観察をまとめた一冊、『武蔵野発 川っぷち生きもの観察記』発売中です。ニゴイの産卵行動についてとても詳しく書いていますので、ぜひご覧になってください(アマゾンの販売ページはこちら)