しばらく雑誌の編集に追われてPCのモニターばかりを睨んでいた間に、季節は音もなく移りゆき、気付けばソメイヨシノが満開です。


今朝のサクラです。

枝垂れ桜も見頃です。

川では我が冬のアイドルだったオオバンたちも、一羽また一羽と姿を消して、今や居残り組が数羽のみに。ヒドリガモもほとんど見当たらなくなりました。

今、川ではイワツバメやツバメがせっせと泥を運び、巣を作っている最中です。カルガモやムクドリ、カワセミも川を行き交いとても賑やかです。

私が今年、コイのハタキ(産卵行動)を最初に見たのは3月24日。5日間ほどは続いたでしょうか。今はもう収まっています。同じ水系でも川が違うとハタキのタイミングが変わってくるのも面白いところ。この川の本流では、4月中旬ぐらいから。事務所の前を流れる三面護岸の通称「ガタ」にも大量のコイが上っては打ち上げられる季節がやってきます。

昨年はついに一度も瀬差しを見ることができなかった、ログ・サーモンことマルタ。群れをストックする淵が埋まって浅くなっていたため、今年も今年も期待はしていなかったのですが、雨が降るたびに瀬が良い感じに洗われていき、3月26日には30匹ほどの群れが瀬に差している姿を観察することができました。でもほとんどこれっきり。もう一度その数日後に7、8匹の群れが見えたぐらい。私が観察しているのは200mほどの区間ですから、素通りしてしまえば見ることができません。でも実際の遡上数自体も減っているのではないかと感じています。ちなみに姉妹のような別支流ではかなり大きな遡上があった模様。

4月に入り、死んだマルタはポツポツ見ることができました。これは4月5日。鰓ぶたをひと突きされたような穴が空いていました。ダイサギあたりでしょうか。

こちらはもっとフレッシュな個体。河辺に打ち上がっていました。目玉は鳥たちの好物。裏面もなくなっていました。

そしてお肉はカメたちの大好物です。

毎年この時期になると、無傷のニゴイの死骸もちらほら目にします。何が原因なんだろう?とよく考えます。答えはなし。

4月7日から産卵行動も観察できています。今年もたくさん美しいニゴイを見たいです。

イタチの足跡も。

もうそろそろヒゲナガカワトビケラの大量ハッチも始まります。それを求めてどんな動物たちが集まってくるのか。

毎年のことですが、その中で「おやっ?」と感じる瞬間を探しにこの春も川っぷちを彷徨いたいと思います。

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