前線の通過にともない、南関東ではかなりまとまった雨が降った昨日。私は茨城県にいて、雨は免れたのですが、都内でもかなりの冠水被害があった模様です。

大水が出た後は観察の好機・・とばかりに、ちょっと見に行ってきました。2mほどは増水したであろう川沿いを歩いていると、対岸でハシボソガラスが数羽、騒いでいます。こんな時は絶対に何かあるので、橋を渡り対岸へ。

やはり・・陸地に打ち上げられ、取り残された魚でしょう。これは10㎝ほどのイナッコ、ボラの若魚です。

見ればあちこちに魚や小さなエビ、オタマジャクシが打ち上げられていました。こちらは小さなフナとウキゴリ。

そしてアユもおりました。まだフレッシュで、適度に干され、このまま炙ったらちょうど良いつまみになりそうでしたが、そんな余裕はありません。うっすら背中は黒ずんでいたかな?

上からセイゴ、アユ、アユ、アユ、イナッコ、アユです。どれも大きくはありませんが、結構サイズには差がありますね。

個人的に嬉しかったのはこちらです。

なんと50㎝を超す、「ログ・サーモン」ことマルタです。毎年3〜5月になると、真っ黒な婚姻色に染まった成熟魚が遡上し、瀬で産卵する姿を見ることができますが、ここでこんな銀ピカな状態は初めて見ました。このサイズでも普通に川で暮らしているのか? もしくは大水に逆らって、本流から差し込んできたのか。わかりませんが、少なくてもこのサイズがこの時期にこの川にいるという、新たな事実を知ることができました。これもかなりフレッシュだったので、一瞬「お昼ご飯に・・」とよぎりましたが、んな余裕はないのです。最近の私には・・。

これも2匹いました。スゴモロコ?でしょうか。モロコの類かと思います。

小さなテナガエビも。

もうひとつ嬉しかったのはこちら。10㎝あるなしのセイゴ(スズキの若魚)です。このサイズがいることも知ってはいたのですが、実際に目の当たりにすると、実感が湧きますね。

もう少し大きいやつも。

ヘラブナでしょうか?

とても楽しいです。手はくさいです。悪くないにおいです。

そしてお昼休みには、もう一本隣の川へも。こっちの方が期待していたのですが、草刈りからだいぶ期間が経っていることもあり、アクセス困難。

それでも水が溜まっているところには・・

まだ元気に生きているアユがいました! まだサビてもいませんね。写真を撮って急ぎ川へリリース。

小型のアユが多めです。

タヌキやイタチやハシボソガラスなどにとっては、秋のボーナスフードですね。

こちらはアユとオイカワ。半分消化されてもいましたので、おそらくはカワウあたりが吐いたものでしょう。見ると右側のアユには体に傷跡がありますね。

つい先日まで熱心に観察していたオイカワも。これだけ河床が大きくかき混ぜられても産み付けられた卵たちは大丈夫なのでしょうか。

ざっとこんなところです。この秋もう1、2回はこんな雨があるかもしれませんね。□〈若林〉

【お知らせ】

『ミルクの中のイワナ film book』販売について

川辺の自然観察をまとめた一冊、『武蔵野発 川っぷち生きもの観察記』発売中です。ニゴイの産卵行動についてとても詳しく書いていますので、ぜひご覧になってください(アマゾンの販売ページはこちら

★RIVER-WALK Vol.1~Vol.3発売中です!★