本日は晴れ後曇り時々雨。

事務所作業の一日でした。

ですが、事務所入りする前に、ちょっとだけ湧き水場へ。

1月に卵胞を飼って以来、続けてきた川ミミズ飼育ですが、いろいろ難しく、卵胞から孵化したミミズたちが次々と命を落とし、最後の一匹になってしまいました。

これまで色々と試しながら飼い続けてきましたが・・

過去フォト。ケヤキなどの腐った葉が食べ物であることは間違いありません。

こんな感じに葉の一部が体内に取り込まれていく様子も観察しました。

特にケヤキが好きなのではないかと思います。

秋から冬にかけては落葉が多いため、湧き水水路の底にはケヤキの葉が腐ったものがたくさんあったのですが、季節がめぐるにつれて当然のことながら、落葉は減り、だんだんと水路内の落ち葉が少なくなってきました。

そこで代わりとなる餌を探し、こんな感じに水面ぎりぎりまで腐葉土を入れてみたこともありました。

ですが、難しいのは餌をたくさん与えようと腐葉土をたくさん入れたりすると、すぐに水が悪くなってしまいます。

とはいえ、水に数枚、腐った葉を入れておくぐらいだとミミズの居場所も定まらず、餌も少ない気がします。

ミミズたちは夜になると壁を這いあがって動き回るのですが、日中も水中に戻らずそのまま壁にくっついたままの状態になることがあります。どうやら、こうなる時は、水の中が居心地悪いようなんですね。

4カ月飼って、それがようやくわかってきました。

そして、昨日まで2匹が同じ壁に這っていたのですが、今朝見たら一匹しかいません。

見ると水がだいぶ悪くなっていました。どうやら暖かくなるにつれて、水が悪くなるのも早まるようです。室温の高い事務所から自宅へと場所も移していたのですが、プラナリアの仲間がたくさん湧いておりました。ミズムシも水から体を出していたので、あまりよくない環境だったのかもしれません。ちなみにヨコエビの類はそんな場所でも元気でした。

すぐに湧き水場へ行き、水を換え、ミミズテラリウムの中もくまなく確認したのですが、もう一匹のミミズは消えてしまいました。おそらくミミズは死ぬと急速に溶けるように分解されてしまうようなのです（もしくは単純に見つけることができず湧き水場に流してしまったのかもしれません）。

そして卵胞から育てていた川ミミズは最後の一匹となってしまいました。

こいつは元気で、だいぶ成長しています。

逃がそう・・とも思いましたが、やはり成体になってもらって、オレンジのハチマキが出てくるのをみたい気持ちがあり、もう少し飼ってみることにしました。

私的には「オレハチ」というミミズではないだろうかと思っています。

おそらくはカッショクツリミミズというミミズなのだと思うのですが、これは「マッチョ虹色水生ミミズ」とともに、あらゆる水辺にいる、水の中が大好きな川ミミズです。

川ミミズは一匹だけですし、水が悪くならないように、土を入れるのはやめにして、腐葉も湧き水場から採取したものだけにして、数も限りました。そしてミミズが身を安定させられるように、それでいながら観察もできるように、ビニール袋の切れ端を重ねて入れてみました。これがなかなか良い具合で土がない状態でも比較的安定した場を作れたような気がします。

半日経った時点で覗いてみると、餌にもなるケヤキの葉にくっついたまま。水の中にいます。もはや透明ではありません。オレハチのような薄い肌色に色づいてきました。

まあ、とりあえずは一安心。

壁を這いあがったままの状態は黄色信号と肝に銘じ、もうしばらく飼ってみます。

安定させることができた感のあるミミズテラリウム。無事に育ってくれるとよいのですが・・。

 

ところで、ケヤキの腐葉にくっついていたのか、初めてみる生き物がミミズテラリウムに混入しておりました。

なんと長さ6mmほどの、水生らしきヤスデです。

まだまだ未知なることばかり。

このヤスデを見て、ちょっとひらめいたのですが、もしかすると、ミミズにせよ、ヤスデにせよ、たとえばハサミムシなどにせよ、水辺のじめじめした所に棲む生き物の中には、水の中にある小さなニッチに入りこもうとするやつらが普通にいるのではないか・・。そんなことを思いました。

ミズグモというクモもいます。もちろん水の中で暮らすには、水中生活に特化するよう進化しなければなりませんが、ミズグモやこのヤスデは、そんな開拓精神にあふれる？やつらなのかもしれません（ヤスデについては定かではありませんが、観察の雰囲気から普通に水の中で暮らすタイプのように見えます）。

ミミズの中では川ミミズがそうですね。完全なる水中生活へと向かう進化の途上なのかもしれません。

飼育して初めて気づく発見があります。実に奥深い川ミミズ観察。

最後の一匹、大切に飼って、またそんな発見ができれば・・と考えています。〈若林〉□

 

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