先日、島根県の出雲へソルトウォーター(海釣り)の取材に行ってまいりました。 当日は好釣果に恵まれ、とても良い取材になりました(この様子は9月21日発売のSW誌にて)。個人的には自己管理の甘さからびっくりするぐらいの船酔いをしてしまった取材でもありました(この旨はいずれブログなどで・・)。 そして、その取材の前に一日、ゴギを狙って川に入りました。
「ゴギ」とは中国地方特有のイワナです。 特徴は、頭にまでびっしりとある大きな斑点や虫食い模様。 大きな斑点といえば、北海道や東北にいるアメマスやエゾイワナと呼ばれるイワナもその傾向がありますが、ゴギはそれが頭にまでおよんでいるのが大きな特徴です。 ちなみにこちらがアメマスです(海で釣れたやつです)。
ちなみにニッコウイワナにもゴギに似た模様のやつはいます。 こちらはよく行く奥秩父で釣れる自分では「秩父ゴギ」と呼んでいるタイプ。おそらくは放流魚の末裔だと思うのですが、何か関係もあるのかもしれません。 いわゆる「秩父イワナ」と呼ばれる赤い点を持つタイプとは明らかに違うので「秩父ゴギ」と呼んで親しんでいる魚ですが、これまで本場のゴギは写真以外に見たことがありませんでした。
入った川の渓相はこんな感じ。 どの川も小さく、林冠は閉じていて、全体的に暗めの印象。濃い緑のトンネルは歩いているだけで心が洗われます。 「出会えたらいいな」ぐらいの気持ちですから、ほとんど水温計だけを頼りのあてずっぽうでした。最初の川は21℃でやや水温が高めな感じ。次の川は20℃でしたがヤマメを一匹手元でバラしたのみ。追ってくる小型の魚はタカハヤのように見えました。 やっぱりそんなに甘くはないよな~・・なんて思いつつ見つけた3本目の川は水温がこれまでよりも低く19℃でした。標高をできるだけ稼いだのがよかったのかもしれません。 とある小さな淵で5㎝シンキングミノーを投げると・・・。
釣れましたー。 20㎝にも満たない小さな一匹でした。飴細工のようなオレンジ色の胸ビレが印象的。 頭の先にまで虫食いが・・。ゴギです。
他にも数匹。 コントラストが際立ったやつや アユのような肌艶の一匹も。
季節やその川の持つ特徴でもあったのかもしれませんが、初めて触れたゴギは、滋養に富んだエネルギッシュな野性味が印象的でした。そのまま手足が生えてサンショウウオにでもなってしまうのではないかというような・・。 また色味も多様で、言ってしまえばゴギというタイプの中に、ニッコウイワナっぽいやつやアメマスっぽいやつやヤマトイワナっぽいやつがいる感じ。
ほんのちょっと見ただけのファーストインプレッションですが、これはほかとはまたぜんぜん違うイワナなのかも・・と。そしてとても興味深く、もっともっと知りたくなりました。
最後に日本遺産の日の入りを。 出雲の夕陽は、線香花火の玉のよう。 真っ黒な海へと溶けていきました。〈若林〉□
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