埼玉南部は本日も曇り。このところだいぶ朝晩涼しくなりました。 毎日、事務所にこもってキーを叩くこの頃ですが、そりゃあ時には外にだって出ます。 というか毎日少しずつ出ております。 ここ数日、アップできておりませんでした湧き水のミミズ探索も少しずつ進めています。 湧き水の面白い所は、それが「斜面」という地形と強く結びついている所です。 基本的には斜面を下がり切った低地の始まるあたり。そんな所にはお墓があり、お寺や神社も多く、竹林や森もあり、やっぱり平地とは違う雰囲気を持っています。 私が歩いているのは、武蔵野台地の北東の端となります。3~4本の川がその台地にヘビが這い上がるように伸びていくのですが、その両側がせりあがった斜面となっています。本当の順序は逆で、川が台地を削ったから川の周りだけが低地になっているんですね。 なので削られた台地の斜面から湧き出す(浸み出す)水の多くは、側溝や沢を通じて台地を削った川へと流れ落ちていきます。 今回は、そんな所へ。 斜面の高台側は、このような裏山的な森になっています。コナラが目立ちました。 斜面の始まり。ずんずん下って行きます。 笹に混じってシュロ。最近、シュロが増えたと思いませんか?(昔から結構あったのかなぁ‥) それにしても涼しくマイナスイオンを感じます。沢が近くにある証です。 夏ならばやぶ蚊も多かったでしょうが、ほとんど刺されませんでした。 ありました。 小さな沢になってまして下の方に行くと結構な水量。 少し水際の石を動かしてみると‥。 いました。いつもの「マッチョ虹色系」です。 面白いもので、湧き水で出会うミミズのほぼ9割はこいつです。ほかは鉛筆大の太いミミズが1割。 植物の葉が腐ったような、腐葉土のような黒い土に棲んでいるからか、体色が黒っぽい。 ミミズの色は何に影響されるのだろう‥。 食べ物も関係はしているでしょうが、体色自体が保護色をまとう傾向は、遺伝的な適応もあるのでしょうか。 花崗岩の川にいたこいつは美しかった。同じミミズだと思っているんですけどね。 赤みがまるでない。 まあこれはこれでいい色だけど。 お母さんガニのお腹から出てきたばかりのような小さなサワガニもいました。 川に流れ出す直前の湧き水。透明度がすごい。カワニナがいました。 水温は18℃ちょっと。ここ1カ月ほどで見てきた湧き水の温度は、ほぼ19.0~19.5℃の間でしたから、これは低めです。季節の進行によるものなのか、この沢の水温が低いのか。印象だけで言うと、フトミミズ科よりもツリミミズ科がいそうな雰囲気。 水が透明。 川へと流れだします。 苔が結構生えてます。 でもミミズはいません。 なぜかクワガタの雌がコケの上に(ノコギリかな? 生きてました) 湧き水場は色々な植物が生えてます。 おなじみの海苔みたいなやつ。ふかふかでサワガニの住処にもなっています。 やっぱりいました。 そしてミミズもいたー! やはり「マッチョ虹色系」。マットの脇から尻尾が出てました。 なかなか引きずり出すのは難しいのですが、なんとかひっぱり出し、苔の上に。 深い色合い。 尻尾はこのようにギザギザでザラザラです。これで踏ん張るのだと思います。 いと美しき‥。 隣人のサワガニとはどのような関係なのでしょう。 そして水はこのように川へと数カ所から注ぎます。 夢中になって観察をして、顔を上げたら目の前50㎝ほどのところでスズメバチがホバリングしてました。 これからの季節は気を付けないと‥。 ミミズのマンション? 土、コケ、隠れ家。湿り気。ミミズの生息環境を満たしているような気がします(ここにはいませんでした)。 もう一匹だけ見つけておしまいに。 ちなみにこの川は、よく観察をしている川の上流域ですが、これまで砂利浜のない直線的な護岸(じゃかご)が施された区間だったので、足を運んだことはありませんでした。川原がないので面白くないなと‥。 川ミミズを観察して湧き水ミミズを観察するようになって初めてたどり着いた新たな川の魅力。 自らが削った斜面をすぐそばに背負う川の区間。湧き水が豊富に流れ込む(地下から浸み込む)川の流れ。 川の中の魚や生き物も観察してみたいな。〈若林〉□
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