川っぷち生きもの観察、冬の楽しみは河道にけものたちの気配を感じることです。夏から秋にかけてはクズやらアレチウリやらカナムグラやらセンダングサやらに阻まれる河道ですが、今の時期になるとだいぶ枯れて倒れ、けもの道もくっきりと分かりやすくなっています。

野球の硬球がすっぽり収まるほどのけもの道とその先のトンネル。タヌキには小さい。ハタネズミには大きすぎる気がするのですが、いったい何が使っている道なのでしょうか。

こんな堀り痕も・・。ミミズかヨシなどの地下茎を食べるためにキツネが堀田穴ではないかと想像しているのですが、果たして・・。

木の枝にはモズの保存食?であるハヤニエ探しも楽しめる季節です。

そして痕跡といえば・・なんと言ってもこちら(ここから先、センシティブな画像が続きますので注意です・・)

けものたちの落とし物。ふんです。ふんを見ると、その時に何を食べているかをある程度予測することができます。

私的にこのあたりで面白かったのは、タヌキのためふん(タヌキは複数の個体が同じ場所でふんをします。情報交換の場とも言われていて、ふんが溜まっていることから「ためふん」と言います)の中にキラキラした貝の殻を見つけて、そこから周囲を探した末に、カワヒバリガイにたどり着いたことでしょうか(その時の一連は、こちら過去ブログ【カワヒバリガイを探して】をご覧ください)。

さて。この冬、私がとても気になっていたのはこちらです。

センダンの木の下に落ちていた長さ1㎝ちょっとぐらいの小さなオレンジ色のふんです。

センダンの実と比べるとこんな感じ。大きさから私はドブネズミあたりのふんではないかと考えています。それにしてもこのオレンジ色はなんなのでしょうか? 

近くには(おそらく)ワルナスビの実が落ちてました。でもオレンジ色じゃないし・・。

あとこの時期のオレンジ色といえば、クコでしょうか。河道にもこの季節、結構なっています。

そんなことを考えていたら、先日、こんなふんと出会いました。

小指ほどの大きさ。そしてこんなのも・・

ほぼ100%オレンジ色の何かを食べたふんでしょう。ためふんにはなっていませんでしたが、河道のけもの道に落ちてました。大きさはキツネやタヌキのものぐらい。

さらにこちらは少し離れた所ですが、木の上にやはりオレンジ色のふんが・・。近くにはカキのタネも散っていました。

カキの実もオレンジ色だけど、違うよなーと。しばらく忘れていたのですが、つい先週、風呂に浸かっている時にふと思いつきました。

なんか・・似た色を見たかも・・と。

そして今朝、確かめに行ってきました。

川に隣接する畑です。ありました。

そこには捨てられたニンジンが散ってました。


やはり、かじられている・・。間違いないでしょう。

見ればあちこちに食べられた痕が・・。

あっちにもこっちにも

オレンジ色はニンジンの色なのではないでしょうか。

近くにはフレッシュな?オレンジ色のふんもありました。これはタヌキのためふんかな?

そしてこの界隈で私の知る最大のためふんにも、オレンジのものが混じっておりました。

近くにはアカネズミの食べたオニグルミも。

過去にタヌキのためふんをアカネズミが食べている姿を見たことがあります。もしかすると最初に見た小さなネズミのようなオレンジ色のふんは、ネズミがニンジンをかじったのか、それともタヌキなどがニンジンを食べて出したふんを食べたのかもしれませんね。

周囲にはハタネズミ?と思わしき穴もちらほら

タヌキにキツネにアライグマにイタチ、アカネズミにドブネズミにハタネズミにカヤネズミ。私がこの辺りで感じているけものたちの食べているもの、それぞれの関係性をもっと知りたいなーと思った寒い朝でした。〈若林〉□

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