昨日今日と涼しいですね。

でも低気圧にともなう不安定な大気が、ちょうど心地よいぐらいの陽気です。

 

さて。

ついさきほど、もう5~6年も前に釣りの取材をさせていただいていた釣り人の方から電話をいただきました。

「ブログ見ました。あのコイが集まってきちゃう話とか、スゴいですねー」なんて。

そんなお電話をいただいた流れで少し話を交わしたんです。

「そういや不思議なことありましたよね~、タンメンのどんぶりが回転したりとか・・」

「いやタンメンじゃなくてパーコーメンです。パーコーメンが一回転したんです」

「いやいや一回転じゃなくて一回転半でした。だってどんぶりが最後はひっくり返ったわけですから・・」

 

この話もなかなか不思議な話なのですが、こちらはいずれまた。

今回は、そんな話をしてたら思い出したその頃の不思議な話をひとつ書きたいと思います。

 

 

それはBさんというとても力持ちの釣り人が、町中にある池でブラックバスを釣るという取材でした。

とにかくものすごい力持ちなので、釣り竿を振ってルアーを飛ばすときに「ブゥォンッ」と風を切る音がなるんですね。

それがとにかく、ものすごい音なんです。

「ブゥォンッ」

「ブゥォンッ」

近くで聞いているとコワいぐらいの音量で、さながら犬が遠吠えをしているような感じなんです。

 

・・・と、しばらくして不思議なことが起こりました。

Bさんが「ブゥォンッ」とルアーを投げると、「ウォォォ~ンッ」と犬が遠吠えを始めたんです。

 

「ブゥォンッ」

「ウォォォ~ンッ」

「ブゥォンッ」

「ウォォォ~ンッウォォォ~ンッ」

 

いやいや・・すごいなと。

消防車のサイレンに犬が合わせて鳴くのはよくあることですが、まさかルアーを投げる音で遠吠えを誘発するなんて・・。

 

・・・だと思ったんですが、これちょっとしたワタシの勘違いでした。

実はその池、団地に囲まれていたんですけど、どうやら犬ではなく、団地の建物に反響したコダマだったんです。

いやいや・・それもすごくないですか?

いくら大声だしたって団地にコダマしないでしょ、普通。

 

・・だと思ったんですが、、実はここらへんもう10年ぐらい前の話なので、自分でもあいまいになってしまっておりまして・・。

遠吠えだと思ったらコダマ、だったのか。

コダマだと思ったら犬、だったのか・・。

 

でも、どっちにしてもすごいですよね。

 

で、話の本題はこれからです。

 

その日、取材スタッフにはライターのワタシのほか、もうひとりカメラマンがいました。

ワタシはカメラマンに「このルアー、物撮りしておいてください」とお願いしてたんです。

「物撮り」というのは、モノをキレイに撮る、ということです。この場合は、Bさんの持っているルアーですね。

 

池のほとりでカメラマンに物撮りをしてもらっている間、Bさんは釣りを始めました。

使っていたルアーはバズベイト。

バズベイト (800x533)

こんなタイプのルアーです。水面を引くと、金属のプロペラが水流で回転してシャバシャババ・・と音を立てるんですね。とにかくやかましいのでBUZZ BAITという名前がついているぐらい。

で、さきほどの犬の遠吠えだかコダマだか・・という「ブゥォンッ」という音は、このバズベイトだから発生する音なんです。

投げるときにプロペラが空気の抵抗を受けて、激しく回転し、「ブゥォンッ」という音を発していたんです。

 

そのときワタシは、その音の大きさと、犬の遠吠えだかコダマだかに衝撃を受けて、完全にヤラれていたんだと思うんです。取材をするのも忘れて、ただボーッとBさんの繰り返すルアーキャスト(ルアーを投げることです)を眺めていたんです。

 

すると・・不思議なことが起こりました。

 

Bさんがさらにギアを上げたのでしょうか。

キャストをした瞬間に「バシャッ!!」という音とともに、なんと閃光が走ったんです!

 

マジかよ・・!!

 

次のキャストの際も、ちょうどルアーが釣り竿から放出される瞬間に「バシャッ!!」と音が鳴って雷のような閃光が・・。

 

そのときワタシが痺れる頭でとっさに考え出したのは、摩擦による放電。という理屈でした。

あまりにも激しく力強いキャストのため、その瞬間に生じた摩擦が雷のように電気を空気中に放出してしまっているのであろう。

 

ありえない・・。でも目の前でいま、実際に・・。

 

 

ボーゼンと立ち尽くしているそのときでした。

 

「ワカ、あのさ・・ちょっとそこどいてくんない?」

(※ワカ、とはワタシのことです)

ん? 

後ろを見ると、そこにいたのは、物撮りを終えたカメラマンでした。

 

 

バシャッ!!

バズベイト02

バシャッ!!・・と。

 

強烈なストロボがBさんのキャストの瞬間を見事に捉えていた、というわけです。□