本日2度目のブログです。

いや・・仕事の忙しいさなかなのですが、どうにも集中力が途切れてしまったため、ちょっとの時間だけオイカワをフライで狙ってみようと近所の川に行ったのです。

巨大なタヌキが町に現われたーー!みたいな。

ヤナギタデが生えてきましたね。川ミミズと相性の良い水辺の植物です。今年こそ、タデ酢を作ってアユの塩焼きと合わせてみたいです。

ヤナギタデの葉の上には、やたらハッチしていたトビケラ。

全長は6~8mmといったところ。フライをやる人は、これを見て「●●トビケラだね」とか、すぐわかるのでしょうか? オイカワが食べているだろうから、ちょっと調べてみようかな‥。

こんな種に間違えてライズしてしまう魚もいるに違いない。

 

さて、本題に入ります。

フライをちょっと振ってみようと思っていたのですが、なにせ風が強く、持っているフライもオイカワにしてはデカい物ばかりだったので、早々に諦め、オイカワのイブニングライズでも観察してみようと、瀬を前にした護岸にドカッと腰を下ろし川面を眺めておりましたところ・・。

アオサギが1羽、狩りをしておりました。

アオサギの狩りは、基本的に待ち伏せ型。ジッと一点に立ち位置を決めたら、あとは一日中「杭になって」竿を振り続けるサクラマス釣り師のような、落ち着きがあります。

対して落ち着きがないのはコサギです。コサギ同士はとても仲が悪いのですが、不思議とダイサギとの相性は抜群で、よく一緒にいる光景を目にするのですが、今日のコサギは、たびたびこのアオサギの近くによってきては、あたりを走り回ってせっかくアオサギがジッと待っているのに魚を散らせてしまうという騒ぎを起こしては去っていく、またくる・・を繰り返していました。

一度はダイサギもやってきました。今日のダイサギは落ち着きがなく、コサギ同様、魚を追っては走り、上手く狩りができておりませんでした。

対してアオサギはジッと待っては、時折、バシュッと顔を瀬に突っ込んで・・狩りを成功させておりました。

惜しむらくは望遠レンズを持っていなかったこと。ですが、結構な至近距離で観察を続けたところ、30分ぐらいの間に3匹のオイカワをキャッチ。1回は派手に空振りしましたが、あとの3回は見事に狩りを成功させ、これがいずれもかなり大型のオイカワだったのです。

話がとっちらかってしまうのですが、コサギも2回狩りに成功しました。ともにアオサギのものよりは小型でしたが、まあまあなサイズのオイカワでした。これがいずれも、アオサギが狩りを成功させた直後・・というかほぼ同時だったんですね。

これまでダイサギの側にコサギがくるのは、目が増える分オオタカなどの外敵への警戒心が高まることと、ダイサギのおこぼれをもらおうとしているのだと思っていました。ですが、もしかすると、自身の狩り成功率にも何らかの影響があるのかもしれませんね。

話をアオサギに戻します。

私が気になったのは、アオサギがキャッチしている魚が、デカいオイカワばかりだったということです。正確にはわかりませんが、2匹はデカいオスだった気がします。

あと、立ち位置ですが、左右には動くのですが、かなりピンポイント的に固執している模様。

ちょうど平瀬から早瀬(チャラ瀬)へと移行する場所の早瀬側に立ち、平瀬の尻あたりを目がけて頭を突っ込む狩りの手法です。

私もデカいオイカワが釣りたいぞ!と、瀬をジッとジッと眺めていたのですが、なかなかデカいオイカワはライズしません。

ですが、ジーッと眺めているうちに、あることに気付くことができました。

それはオイカワの引き波です。

これに気づけたことは、私的にかなりうれしいファインプレーでして、といいますのは、昨年・今年とニゴイの産卵行動をしばしば観察していたのですが、曇りの日などは白い空が反射してしまい、なかなか水面下の様子を探ることができないんですね。私はメガネをかけているので偏光グラスもしません。ですが、ずっと観察を続けているうちに、彼らの水中での行動と、彼らが立てる引き波の出方が、自分の中で重なるようになってきたんです。

つまり、水中を見なくても、引き波を見ることで、なんとなくニゴイが今、どのような行動をしているかがわかるようになってきた、というわけです。

で、ですね。

ニゴイの産卵行動はサケ科魚類にとてもよく似ているのですが、コイ科では何に似ているかと言いますと・・オイカワなんです。

ペアリングするところやオスがメスを抱きかかえるような押さえ込むような体勢になること、そして放精・放卵時にヒレで底の砂をかき回して砂煙を立てるところなどが似ているんです。

なのでユーチューブや見せていただいた動画などで、オイカワの産卵行動をあらかじめ、予習していたんです。

で、話を戻しますと、ある場所でオイカワたちは引き波を立てていました。それはオス同士の争いのように見えました。もしくはメスを追尾しているか。

引き波を見ながら水面下の行動を予測する。このマニアックなたしなみを続けておりますと・・。

なんと、ビビビビ‥バババババ‥っと、放卵・放精に至ったのです!!(たぶん)

これには少し感動してしまいました。

極めて細やかで個人的な喜びですが、期せずしてオイカワの産卵行動を観察することができたのです。

その時です。もしや?・・・・と思い、ゾクッとしました。

いや、大したことじゃないんですけどね。私的には、かなりな気付きでした。

おそらくですが、今日観察したアオサギは、産卵行動中のオイカワを専門で狙っていたのだと思います。

そう考えると、捕らえるのが良いサイズのオイカワばかりであることも納得がいきます。

おそらくは、オイカワの産卵行動が行われるこの時期限定の、アオサギの特異的な狩りパターンなのではないでしょうか?

私はこの狩りパターンを「壱ノ型 オイカワ婚姻突き」と名付けました。

ボラの型や、落ちアユの型もきっとあるはずです。

アオサギの狩り行動の一端を知った気になった、うれしいひと時でした。

右側にアオサギがいます。立ち位置はチャラ瀬、狙っているのは前方のもう少しだけ流れの緩やかな平瀬です。オイカワはおそらくここで産卵行動を行っていたのだと思います。

PS 実は、もうひとつ、これも撮影はできませんでしたが、なんとこのアオサギ、ハシボソガラスがよくやるような、石をひっくり返しての黒川虫つつきも行っておりました。もちろんアオサギでは初めて見る行動です。

まずは「壱ノ型」をきちんと検証しなくては・・。

また観にいこう・・。〈若林〉□

 

★RIVER-WALK Vol.1~Vol.3発売中です!★