先日、気になっていた近所にある川魚料理のお店で鯉を食べてきました。

赤味噌仕立ての鯉こくと鯉の唐揚げです。

鯉こくは酸味含みの赤味噌に鯉の脂が溶け込み、とても濃厚な味でした。鯉の丈夫なあばら骨も背骨も全部丸ごと食べられます。とても美味しく、体が温まり、次の機会にはあらいを・・なんて思っていたのですが、今はもう一度、この鯉こくを食べたくて仕方ありません。

唐揚げは裏を返すと丁寧に包丁が入れられていて、小骨が断ち切られホクホクの身がこれもまた美味。

弾力性に富んだ鯰とはまた一味違う鯉ならではのふわっとした歯ごたえと舌触りを楽しむことができました。

 

 

最近、鯉のことをよく考えています。

まだ稲作も広まりを見せていない縄文時代以前に関東より西方に分布していたと考えられている、日本にもともといた鯉と人との関係について。そしてその頃の里の自然環境について。

ナマズが関東地方以北分布を広げたことがおそらく稲作と無関係ではないように、鯉が東北にまで分布域を広げていく過程にも稲作は関係していたでしょうし、関東以西でも水田と稲作と鯉との関係は深かったように思えます。その時の鯉はもともと日本にいた鯉なのか、それとも大陸由来のいわゆる外来鯉だったのか。

ちなみに稲作をしながら鯉を育てることを「稲作養鯉(いなさくようり)」と呼ぶそうです。

稲作養鯉はいつ頃の時代から行われなくなっていったのか。

また昭和の時代、高度経済成長とともに進んだ川の水質汚濁と無関係ではないと思われる、鯉を身近な水辺に放す(放流する)風習について。また、今なお見られる放流と環境教育との結びつきについて。

人はいつから鯉を(さほど)食べなくなったのだろう?

ニホンカワウソはどのぐらい鯉を食べていたのだろうか?

そもそも在来の鯉は、日本の水辺の生態系においてどのようなポジションを占めていたのか?

そんなことを考えて考えて…仕事の妨げになってます(笑)。〈若林〉□

 

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