今日は生温かい南からの強風がビルの間をビュッと抜け、雨に濡れたコンクリートと東京湾の匂いがとても懐かしく、思わずヒートテック極暖の袖をまくったのでありました。

さて。

つい先日、メバル・カサゴ用のワーム(ゴムみたいな軟らかい疑似餌です)を買いに釣具屋さんに行くと、思わぬルアーと出会いました。

img_4473-600x800

左のふたつは、楠ノ瀬直樹さんが作った飛豚73Noisy!!(ヒブタナナサンノイジー)です。そして右のひとつは、楠ノ瀬さんが大好きだったジッターバグ。口の部分にカップと読んでいますが、お椀のような板がついているんですね。元々、ヒブタはカップがないルアーだったのですが、そのヒブタのジッターバグバージョン・・とでもいいましょうか。

なかなか売っていないルアーなので、色の可愛いジッターバグと一緒に買いました。

で、改めてパッケージの裏面を見てみると、ルアーの使い方なんかが書いてあるかと思いきや・・・

img_4474-800x600

Bathing together!

(ここから引用)ハルシオンシステムのスローガンです。直訳すると「一緒に水遊びしよう!」という意味になります。サカナを釣るにはサカナの気持ちに、サカナと一緒の目線で。それこそがルアーって言う「おもちゃ」を「道具」にしていく根っこじゃないかと感じてます。「一緒に水遊びしようぜ!」っていうのはサカナから言われている言葉ですね。「おまえらも、オレを釣りたいなら、水ん中こいや」みたいな、ことかな。水の中、入ります。とことん、やつらのフィールドに入ります。そんな気持ちでもって、ルアーを創る。そんな気持ちで、釣りをする。それが【Bathing together!】(引用終わり)

 

細かい使い方はどこにもなくて、スローガン、なんですよね。

ハルシオンのルアーはいくつも持っているので、このスローガンは過去に何度も目の前を通過しています。面白いこと書いてんなー。きっとこれ、楠ノ瀬さん発案のメッセージだよなー・・と。そのぐらいの印象で通過。

 

ですが、今回、改めて読んでみて、ハッ・・としたんです。

つい先日、楠ノ瀬さんから昔言われた言葉を思い出してブログを書いたのですが、その当時に自分が至った考えと【Bathing together!】とが、実はとても近いものだったからなんです。

 

楠ノ瀬さんから聞いた言葉は「すべての一投は、次の一投に繋がっている」ということ。

すべての一投が次の一投に繋がっていると考えて釣りをする。すると、自然と水の中の魚の視線を強く感じるようになるんです。

 

「すべての一投は、次の一投に繋がっている」

釣りを面白くするこの魔法の言葉によって、サカナの視線を強く感じて、サカナと一緒に水遊びして知恵比べして・・・

 

なんか・・自分で至った境地のような気になって大切にしていたのに、ルアーの箱の裏にダイレクトに書いてあんじゃん!・・そんなことを思ったのです。

 

でもきっと、言葉とか文章って、受け取れるタイミングがあるんでしょうね。受け取れないときよりも、受け取れるときのほうが、案外機会としては少ないのかもしれません。

たとえばルアーの箱に書いてある。

たとえば釣り雑誌の連載で発信する。

でもそれを伝えられるタイミング、受け取れるタイミングは限られている。

 

そう考えると、繰り返し同じことを話したり書いたり、再読したりすることも、思っている以上に意味があることなのかもしれません。□