昨日、新たに見つけた川が気になっていました。

その川には、私が「マッチョ虹色川ミミズ・タイプ1」と呼ぶ、水場が大好きな川ミミズがたくさんいたのです。

これは夏場には、きっと這い出しが観察できるぞ・・と。

すぐ近くの川で、夏場の夜と朝に、這い出しは観察しています。ですが、それは細長くて「マッチョ」っぽくもあるけど、どちらかというとスリムでひ弱なイメージなんですよね。そして比較的小型です。7㎝前後でしょうか。

こちらはまた別の湧水場にいた「タイプ1」の容態です。細長くて、尻尾がギザギザしているのが特徴です。体は透明感があり、時に水中では構造色によりギラギラと虹色に輝きます。そして個体によっては、このように尻尾の先が黄色いのも特徴でしょうか。

あくまでも這い出しの本番は5〜7月ぐらいだと思っているのですが・・。

本日は無風で気温もまあまあ高く(車の外気温形で9℃でした)、これは見にいってみる価値はあると思い、少しだけ覗きにいったのです。

満月2日前の夜。雰囲気はあります。

場を乱さないように、そーっと上流に向けて歩いていくと・・。

ななんと!! いきなりおりました!!

思いがけない、真冬の這い出しです。

この冬、別の川では、何度も川底に現れる川ミミズを観察していましたが、ほとんどの場合は、死にかけていて、しっかりした状態は数匹のみ。「マッチョ虹色川ミミズ・タイプ1」の這い出しは観察できていませんでしたので(石をどけての観察はあります)、初めてのことです。

やっぱり出てくるんだ・・。

それにしても、なぜ。何をしに、彼らは河床を徘徊するのでしょうか・・。

ちなみに、長さは測ってはいませんが、余裕の10㎝超え。伸びた状態なら14㎝ほどあったのではないでしょうか。

こんな感じで探していきますと・・。

驚いたことに、もう1匹! 急ぎ、できるだけ驚かせないために赤色ライトにチェンジします。スネークスイムではなく、伸び伸びと這っている様子。ヒゲナガカワトビケラの捕食網での捕食を期待しましたが、目につくところにネットはありません。苔などを食む姿を見たかったのですが、どんどん歩いていくのみ。

ついにこの細長い石の下に隠れてしまいました。

嫌がられていたのかもしれませんね。

嫌がられついで?に・・石をどかしてみますと・・

こんな感じにいました。こちらは幼体かな? 最初のやつよりは小さく、8㎝ほどでした。

いかにも「タイプ1」っぽい、ギザギザの尻尾。先端はうっすらと黄色くなっていました。

光を当てると、やはり嫌がってしまいます。

観察したいのは、極力、自然な姿。そしてなんのために河床を徘徊するのか、その行動を突き止めたいのです。

摂食のためなのか?

新天地を求めるためなのか?

それとも・・出会いのため?

蛾も数匹、水面に落ちてました。

 

もはや私の中では「マッチョ虹色川ミミズ・タイプ1」が河床を徘徊することに疑いはありません。ですが、なぜ?・・となると、まだなんとも言えません。

おそらく摂食もしているとは思うのですが、動機はまだまだ曖昧なまま。

でもなんとなく、この夏には、何か掴めそうな気になっています。

そんなことを思わせてくれる、真冬の這い出し観察でした。〈若林〉□

 

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