降ったり止んだり、梅雨らしい天気が続いている、こちら埼玉南部です。

近所の川で出会えていたキツネは、台風3号の大雨が降った翌日から姿を消してしまいました。少し残念、少しホッとした気持ちです。

さて。

このところずっと頭の中を占めているのは、タイトルにもあるように「彼らはなぜ木に上るのか?」ということです。「彼ら」とは、そう、ミミズです・・。

最高の観察タイミングは、おそらく結構な雨が降っている夜間となりますが、なかなかタイミングが合いません。梅雨時なので、いずれチャンスはあるかと思いますが。

少し乾いた樹皮には、コメツキムシが結構います。

樹液を吸うやつや他の虫などを食べる肉食のものもいるそうです。

このようなちょっとした樹洞からミミズが顔を出していないかと、探していますが、やはりもう少し濡れていないとダメですよね、きっと。

オケラがとても大きな声で鳴いていました。あれって、土の中に潜って鳴いているんですよね。すぐ近くにいても、姿を探すことができませんでした。

 

そして今朝もまた、少しだけ覗いてきました。

まずはオニグルミ。

深く溝が刻まれています。

次にエノキ。

ゾウの皮膚?のよう。深い溝はなく、ザラザラの樹皮には、ナメクジがたくさん見られます。乾いていてもいます。上りやすいのかもしれませんね。

センダン。

位置その他の要因もあるでしょうが、このセンダンは比較的湿っています。湿っているところには、このようにたくさんのヤスデが這い上っていました。

クヌギ。

ここのオニグルミやハンノキ同様、溝が刻まれています。ここのクヌギは樹液はほとんど出していません。それでも小さなクワガタをたまに見かけます。

今日いたのはオオヒラタシデムシでした。

クワ。このあたりでは、一番朽ちかけていて樹洞も多いのが、このクワです。樹液もところどころから出していて、雨が降らずとも常に湿っているところもあります。

こんな感じに。

朽ちた樹皮の隙間にはコメツキムシや・・

ヤスデの脱皮殻を見ることができました。

そして比較的立派に成長しているのはハンノキ。

大雨で冠水した日に多くのミミズが這い上っていたのは、このハンノキとクヌギだったと思います。

今日は気になっていたところに、少し切り込んで見ることに・・。

地表から60㎝ほどのところにある二股の間に湿った泥が溜まっているのです。

こんな感じ。ここを少しホジホジしてみると・・

おおお! わかりますでしょうか。

おりました! 10㎝ほど。

つまみ出して近くの水たまりで洗ってまた置いた状態。長さは感じませんでしたが、雰囲気は、「マッチョ虹色川ミミズ・タイプ1」らしき、ヘンイセイミミズらしき感じ。

やはりいた・・。

おそらくなんらかのタイミングで木を這い上り、地表に戻るのではなく、居心地の良い場所として、この湿った木の股にたどり着いたのでしょう。

日中は泥の中に潜り、おそらく雨で樹皮が濡れた夜間には、少し動き回ったりもするのかもしれません。

これはある意味、樹上性の一つの形態と考えても良いのかもしれません。

木の股はもっと上方にもたくさんあります。雨のたびに少しずつ這い上り、だいぶ上方で安息の地を見つけている者もいるかもしれません。

木によっては、上方ほど湿って苔むしていることもありますから。

ただ、その多くは偶然というか、大部分は地面の土壌に棲んでいながら、そのうちのわずかばかりの冒険者が、そのような樹上生活を営んでいるのではないかと思います。

突き止めてみたいのは、そんな中で、比較的樹上を好むやつらです。

川ミミズの中でも「マッチョ虹色川ミミズ・タイプ1(おそらくヘンイセイミミズ)」や「クリームオヨギデカミミズ」、その他のツリミミズの仲間など、結構川の中が好きなのでは・・?と思うようなやつらがいます。それと同じように、木に上るのを好むやつらもいるのではないかと・・。

そんなことを考えながら、もう少し観察を続けたいと思っています。〈若林〉□

 

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