埼玉南部、本日も危険な暑さです。少し気を抜くとすぐ具合が悪くなってしまいそうな暑さ。日向も日陰も何もかも暑いです・・。

さて。腰を痛めた最近は、川歩きを我慢して、川の作った段丘崖でトビイロシワアリという小さなありが埋葬する虫の死骸を観察しています。

こんな感じに小さな土の粒を積み上げて他の生き物から獲物を隠そうとするのだそうです。私はこの性質から彼らを「埋葬蟻」と呼び、彼らの「作品」を楽しんでいます。

そこから始まった虫の死骸観察ですが、カブトムシが意外なほど多いのと、さらに意外なことにタマムシの死骸も結構多いことに気づき、これまた楽しいなーと灼熱のさなか、クラクラしながら観察しています(川歩きの方が体には良さそうです・・)。

さて今回はタマムシの話を少し。

タマムシ。英語でJewel beetle。美しい虫ですよね。昔、祖母の家でタンスに入っていた記憶があります。私の住んでいる埼玉南部ではそんなに多くはないようで、生きているタマムシはもう十数年見ていなかったと思います。

そんな私がこんなタマムシを見つけました。

随分とブルーなやつ!

こちら「おやっ?」と思うほどには青かったのですが、なにせタマムシはもう十数年見ていませんでしたし、死骸も羽ぐらいで、完品は久々でしたから、まあこんなものかなと。

こちら順光で撮影すると、こんな感じにグリーンが強くもなったので、構造色だから見る角度によってこんなにも変わるんだーと思ったぐらいでした。

「構造色」とは、たとえばカワセミの羽のブルーや、川ミミズの虹色など、体表の物理的構造によって光を干渉して、そのように見える色のことです。CDやDVDの裏側が光ったりするのも一種の構造色かと思いますが、あんな感じですね。構造色の特徴は、光のあたり具合や見る角度によって色が変化するところです。まさに「玉虫色」です。

そんなぐらいに思っていたのですが、Twitter(今はXですね)にて、太陽の光に長時間当たって加熱されると羽表面の構造が変質して、ブルーに色が変わる、というツイート(ポスト?)がタイムラインをいくつか流れていきました。そういうことだったのかと。死んでお日様に照らされているうちに、緑がブルーに変わっていったようなのです。

この美しさは死した者の美しさだったのです。

タマムシってお腹がわも美しいんですよね。

これは若干青みがかっている?

このような死骸はポツポツ見るのですが、生きている状態とは出逢えず。

だったのですが、気にすると出会えるものなんですよね。目の前の日陰に弱ってはいましたが、まだ生きているタマムシを見つけました。

確かにグリーン! と思いながら、早々、タマムシってこんな色だよねと。頭は生きている間も少し青みがかっていることもわかりました。個体差かもしれませんが。

少し日向で撮影。鮮やかですね。

そして今朝もタマムシに会いました。

グリーンからブルーに移りゆく美しいタマムシでした(死骸です)。

そして埋葬蟻が仕事中のタマムシにも。その色に思わず息を呑みました。

まさにBule Jewelだったのです!

うーむ・・美しい。やはり逆光気味だとブルーが映える印象です。

こんな感じに埋葬されている最中でありました。

今年はタマムシが多いのでは?なんていうツイートもありました。

私がこれまで気づかなかったのは、単に見ていなかったからなのか、今年はタマムシが多いからなのかはわかりません。でも埼玉南部にも結構いるもんなんだなーということが、この暑い夏に知れたことの一つ。そして死したタマムシの美しさもまた。〈若林〉□

 

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