蒸し暑い日が続きますね。

今日は急な激しい雨も。

台風の影響もあるのかもしれません。

さて。

この夏、やや熱心に観察しているのがこちら。

「埋葬蟻」ことトビイロシワアリに埋葬されたカブトムシの死骸の観察えす。トビイロシワアリはとても小さなアリですが、セミやカブトムシ、ミミズなどの死骸を見つけると、他のアリなどに取られないように、このように小さな土の粒や草の実、木の枝などを運んで塚を作り、一度埋葬するように埋めてから、中の死骸の液状物質を利用するのだそうです。

主に私が観察しているのは、タヌキやカラスに腹をすっかり食べられた後のカブトムシになりますので、一番美味しい(?)お腹は空っぽなんですね。それでもトビイロシワアリは埋葬するようです。

中途半端なのは、食べるところが少ないから?

半分ぐらい埋めたところで雨に当たったと思わしき姿。これも自然の芸術ですね。

トビイロシワアリが中途半端に埋めることで、カブトムシは地面に半分ぐらい固定された状態になります。カブトムシの殻は大きいので、ちょうど小さな虫の住居のような感じになるんですね。そこに暮らす小さな虫を観察することが、この夏のひそやかな目標となっております。

 

なかには、こんな素敵なカブトムシのお家も・・(留守でした)。

ダンゴムシの死骸はたまに見つけることができます。

自ら入っていって死んでしまったのか、もしくはアリに「土の粒」と思われて運ばれたのか・・。

残念ながら、いまだこれは!という観察には至っておりません。

それとは別に、つい最近、中途半端に埋めたカブトムシの殻の中を出入りしているトビイロシワアリを観察することができました。

矢印のところにアリがいます。よく見ると小さな肉片?か何かを運んでいるよう。その先を辿ってみると、2mほどのところに巣がありました。埋めた後の利用の様子を観察することができました。

カブトムシ以外には、タマムシも利用されています。

実に美しいですね(後日、このタマムシは完全に埋葬されておりました)。

こちらはタマムシの胸部。埋められている途中のようですが、後で写真を見てみますと・・むむむ・・!

なんとタマムシの体の横に死んだアリが数匹・・。

これはどういうことなのでしょうか。

気になって時間を空けてまた観にいってみました。

タマムシの死骸の近くに固まっていたアリの死骸は一匹になっていました。

ん?

あ!

タマムシの体の中から埋葬蟻とは別の、もう少し大きなアリが出てきました。これはクロヤマアリではないでしょうか。

トビイロシワアリの倍ほどの大きさのアリです。アスファルトを忙しなく歩いている極々一般的なアリですが、いきなりタマムシの体の中から出てきたので驚きました。しかも・・土の塊をくわえています。

情報量の多い写真。埋葬蟻の横でタマムシの体の中と外を行き来するクロヤマアリ。そのかたわらにはダンゴムシの死骸も・・。

そしてそのそばには、このように芸術的なカブトムシの死骸も埋葬されているのです。

それにしても複数がまとめて一箇所で死んでいるところを見ると、クロヤマアリと戦ったのでしょうか? それとも襲われたのでしょうか? そしてタマムシの死骸を横取りされたのでしょうか・・。

そしてタマムシの体はクロヤマアリの巣の入り口を飾るゴージャスな門となったのでしょうか・・。

小さな世界、とても興味深いです。〈若林〉□

 

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