埼玉南部、すごい雨でした。自宅の車の段差プレートが50mほど流されました。ガタは間違いなく氾濫していることでしょう。

夕方の雷雨が珍しくないこの頃、川っぷち観察は仕事前に偏っています。9時前後ですでにかなりの暑さにはなっておりますが、少しずつ慣れてきたようにも思えます。

こちらは段丘崖のカブトムシ。昨年はほぼカラスかタヌキに襲われたと思われる亡骸ばかりでしたが、今年は少し様子が異なります。どこも食べられていない状態の死骸が結構あるのです。尋常でない暑さに耐えられず…と推察しておりますが果たして。

埋葬蟻ことトビイロシワアリの活動観察も最盛期手前。これからセミの死骸が増えるにつれて、あちこちに塚を見ることができることでしょう。おそらくはアブラゼミ。このところ、アオダイショウの埋葬をずっと観察していたのですが、そちらはまたいずれまとめたいと思います。

カエルはヌマガエルが多勢を占めています。今朝は田んぼで気になるほどの大合唱。熱い日中のひなたにもいるんですよね。

雑木林ではカブトムシやクワガタも。写真はノコギリクワガタのペアです。

小型のノコギリクワガタ。子どもの頃、「ノコD」とか呼んでいたタイプ。「ニンジン」なんて呼び方もありましたね。

葉の翠色を反射してメタリックグリーンに輝くハナムグリ。シロテンハナムグリとシラホシハナムグリがいるのだとか。どっちかわかりませんでした。

そして虫目線で見ると恐竜っぽいカナヘビです。

ねぼけまなこの小さなカナヘビ。

そしてこれ。今回の主役です。

ヒガシニホントカゲ。青い尻尾のこいつは6㎝ほどの幼体でしょうか。

セミの抜け殻がたくさんある木の下で・・

こんな姿を目にしました。

これは・・セミの幼虫が出てくる穴でしょうか。尻尾だけ出しています。右手に見える茶色いかたまりは、セミの幼虫の鍵爪の部分。モゾモゾと動いています。

ここから先は、動画のキャプチャ画像で見たままを説明します。

存在感のある尻尾をむちのようにブンブンと振り回しています。

後ろ足が出てきました!

体を揺すりながら少しずつ穴から出てきます。

どきどき・・。

やはりなにかを加えています。状況から察するに・・

セミの幼虫のようです。しかも結構大きい。アブラゼミの幼虫でしょうか。トカゲは穴から引きずり出そうと頑張りますが、セミの幼虫は踏ん張っているのか出てきません。

片方の鍵爪が見えました! 加えているのは頭の先のよう。と・・ここでトカゲが驚きの行動に出たのです!

なんとセミの幼虫をくわえたまま、体をぐるぐると捻ってものすごいスピードでローリングしたのです。ウミヘビやウツボがやる攻撃方法で、かじられているほうはたまったものではありません。

まるでつむじ風のようにぐるぐると・・

周囲の草まで巻き込みながら・・

回転を続けます。この間に、右側にある幼虫の鉤爪をクロヤマアリが持ち去ろうとしましたが、つむじ風に吹き飛ばされてしまいました。

幼虫の目が見えます。口先でしょうか、肉片が見えてます。

くわえながら、なおも幼虫を引きずり出そうとしますが、なかなかうまくいきません。穴に比べて幼虫が大きい気もします。

肉片が千切れました。どうやら触覚の部分だったよう。

再び穴へ!

ですがやはりうまくいかず、最終的には至近距離で撮影していた私から逃げるようにセミの穴を離れてしまいました。

その後、周囲の草むらに潜っては、また穴に潜り、何度か引きずり出そうとトライしたのですが、私の影響もあったのか、最終的には穴の中で食べればいいんだ!と気づいたのかもしれません。

時折、こんな感じに頭を出して周囲を伺うほかは、穴に潜ったままになってしまいました。40分ほど待ちましたが、さすがに暑いのと仕事もそろそろ・・といったところでタイムアップ。その場を離れました。

それにしても、穴の中にいる幼虫を狩るとは、どのような状況なのでしょうか。セミの幼虫の穴って、幼虫が土から出てくる時に開くのかと思っていたのですが、どうやら穴を開口させてもすぐには出てこず、羽化のタイミングである夕方以降を待つのだそう(ネット情報です)。なるほど。だとすると、トカゲとしては、嗅覚もあるのかもしれませんし、穴を次々に潜って調べることで、まだ這い出していない幼虫を見つけることができるかもしれませんね。

いずれにしても、クモやバッタなど、口に収まるほどの小さな虫ばかりを食べているのかと思っていたので、大型のセミの幼虫をかじって食べるのには驚きました。

そして穴の前でトカゲの出待ちをしている間、ジッと動かずに観察していると、意外にたくさんの小さなトカゲがうろちょろすることもわかりました。彼らは警戒心がなかなか強いのです。驚かさずにジッと止まって待つことで、観察機会は増えるのかもしれません。

トカゲの他の狩りパターンも観察してみたいなーと思った今日でした。〈若林〉□

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