こんな未知を探る釣り、いまの日本の渓流じゃできないんだろうな……なんて卑屈にならないのは、著者が釣れた魚の大きさに強くこだわっているにもかかわらず、伝えようとしているものが功績よりも体験への喜びだから?と思う。そして功績に捉われなければ未知は今だって各々の前に広がっている、とも。(2014年 ヤマケイ文庫 ※初出は1988年)