朝晩はすっかり冷え込むように。薄い一枚の布団が心地よいのなんのって・・。 さて。先日、今期最後の渓流釣りへ行ってまいりました。 行先は年券を毎年買っている奥秩父。 この時期ならではの秋色に染まった大型のヤマメとイワナを大好きなパンサーで狙いに行ってきました。 実はその2日前にも同じ場所に行ってまして、イワナが9寸(27㎝ぐらい)までは釣れたのですが、推定それ以上の奴がギュッとスピナーを引ったくって・・・プツンと。4ポンドのナイロンラインを断ち切ってしまったのです(おそらくは大ヤマメ)。 なので、このタイミングで同ポンドのナイロンを新しく巻き直し、準備万端で釣り場へと向かったのです。 向かったのですが・・ 3時間かけて到着して、さあやるぞと準備を始めたところで気付きました。
竿とリールを忘れてる・・。
うえっ!・・とは思いました。さすがに私も。 でも実は、そこまで取り乱したりはしませんでした。 なぜならば、今年の夏に、一度同じことを経験済みだったから。
そのときは、珍しく自分が被写体になるという雑誌の取材でした。 カメラ担当の編集さんが水没を気にしていたこともあり、水位を確かめるため、前日に予行演習とばかりに同じコースを歩いたんですね。 で、腰まで浸かれば渡れることを確認して、ヨシヨシと帰路についたわけです。 で、その翌日、釣り場に着いて準備を始めたところで竿とリールがないことに気付きました。 このときは、顏では平然を装いましたが、まあまあ取り乱しました。 ですが、よくよく考えてみると、前日から竿とリールをクルマから降ろすことはなかったはず。なのにクルマにはない。だとすれば・・・。 編集さんと片道30分、その日にゴールと決めていた地点まで歩くとありました。そこには恨めしそうに立てかけられているワタシの釣り竿とリールが・・。
で、今回。 ないとわかった時点で、すかさず記憶を辿りました。 クルマから出したか? いや出してない。なのにクルマにはない。だとすると・・・。 なんだ、やっぱり釣り場じゃん。ホッ。 ホッ・・・じゃなくて、そこで安心してる時点でどうしようもなくダメなわけですが、今回は悪いことに、歩いても歩いても竿とリールは出てきませんでした・・。
で、結果として・・。 わがテンカラの愛竿「金剛せきれい3.3M」+スピナーという新境地。
いや、ネタではなく・・。幸運なことに竿は2本だけ車載されてました。 一本はディアモンスターMX-7という怪魚を釣るための竿・・。 そしてもう一本は毛鉤を扱うテンカラロッドだったのです。
ここは迷わず、金剛せきれいをチョイス。はたから見たら、おかしなことはやってないように見えますから・・。
テンカラロッドでスピナーを操る。 これを真剣にやったことのある人は少ない・・はず。
まずスピナーは、3gのパンサーでも重すぎると思い、2gのミラーをチョイス。よっこら・・・しょ、とキャスト。ロッドをさびくように引いてくるとプルルルル・・とブレードが気持ちよく回転して・・お、小さなイワナが追ってきた!
素早く結果から言うと、ほぼ一日やって一匹も釣れませんでした。
一定速度で引いてこれるのでスピナーを安定して泳がせることはできます。慣れればリールで巻くよりも安定した引っぱりができるかも。 キャストはアンダーハンドでよっこらしょ、ですが、慣れればピンポイントに撃ち込めます。下手なリール竿のキャストより自分の場合、決まるようにもなりました。 弱いのは遠投性。 なにせ3.3m×2=6.6mしか飛ばせません。ここでは釣りたい!と思うような大きな淵では、正直距離不足。でも、それはテンカラだって同じこと。アプローチに気を配れば、なんとかなるハズ。 根がかりはなぜか少ないです。穂先が柔らかいことが関係しているのでしょうか? スピナーが底石にコツコツ当たってもあまり引っかかりません。 総合すれば、それほど悪くないんじゃないの?・・といった感想。 でも、アタリは実際、一度も感じることができませんでした。
食っているのに気づかず、気づかないうちに放してしまっているからか。 そもそも、穂先が柔らかすぎることでスピナーの太いハリがかかりづらいのか・・。 ほかに重大な欠陥があるのかもしれません。
いずれにせよNo Fish。
で、 ポケットに3個だけあった毛鉤を最後の淵で投げると、こともなく元気のよい真黒なイワナが釣れたのです。 ですが、そのイワナをかけている間に、そのイワナを食ってしまえるぐらいの大イワナが、本当にイワナを食ってしまいそうなぐらい、ぐるぐると私のかけたイワナのまわりを回ったのです。うわわわ・・・。デカい~。 あー、スピナーだったら釣れてたかも・・。 残念・・。
で、もう少しだけ歩いてもう一匹。 目玉の大きな、身体の小さなイワナでおしまい。
そんな今期最後の釣行となったわけですが・・
いつものように、渓の森は優しく ときに何か思わせぶりで 足元にも小さな発見があり 物語の気配に満ちているのでした。
来期こそは・・
尺ヤマメ? いや、 忘れ物を減らしたいと思います・・。□〈若林〉
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