今日も晴れ。とても暑い一日です。

いろいろ行ったり来たりしながらも、事務所そばのGATA-WALKは続けている昨今。

3日前の大雨後のファットさん(コイ)大量溯上はすごかった‥。

その様子はこちら(ブログ【潟開き】)をご参照ください。

そう、田んぼにも水が張り、大雨の影響もあるとはいえ、潟が開いて川になった瞬間を目撃したのかと思ったのです。これからまだ観察していない秋までの間はコイやナマズの泳ぐ川になるのだろうと。

ところが昨日、覗いてみましたところ‥。

水が完全に干上がり、元の潟の水位に戻っておりました。

10匹弱のコイと、ご覧の通りナマズまでが犠牲に‥。

まるで何事もなかったかのような潟の風景に戻りました。微かな増水の爪痕は倒れた草にみるぐらい。

つまり、3日前に潟を観察していなかったならこの潟で、あのような500匹ほどのファットさん(コイ)が遡上してドシャバシャとハタキ(産卵)していたとは、絶対に想像できなかったことでしょう。

自然において目に映るものはほんのひと握り。

よく自分に言い聞かせていることですが、改めてそれを感じた次第です。

同水系のルートH。ホソではまだかろうじてハタキを観ることができました。

本流ではスッポンが甲羅干し。

潟尻では、溯上できなくなった(もしくは一度上ってまた降りてきた?)ファット・オブ・ファットさんが、お腹の卵を産みつけようと、数匹のコイとバシャバシャやっておりました。

で、本日もまた、仕事前にちょっとGATA-WALK。

潟は閉じた‥。

不思議なことに、昨日のコイやナマズはおらず、また別のコイがいました。

ウロコを鳥にはがされたのでしょうか。

ここで、ある現実に気づきます。

こちらは潟のとある一画。中央に見えるのは、潟の底辺。つまり三面護岸の底ですね。右側に茶色い土状の部分がありますが、これは広がっていた水生植物の根でできたマットが水流で剥がされた状態です。

フラッシュとも言える増水によって、潟の泥が流され、顔をのぞかせた現実です。

これまでも薄々は感づいておりましたが、潟は三面護岸の水路なんです。

おそらくは農業・家庭用水の排水溝であり、田んぼからの泥水が沈殿してできた薄い土壌に水生植物がマット状に根を張り巡らせ、それを基盤としてマコモなどの抽水植物が繁茂した状態。根はさらに泥を蓄え、ちょうど砂丘が海浜植物の根によって保持され育つような関係性なのでしょう。

そうやって三面護岸に作れた泥底の潟が、これまでブログでもご紹介してきたように多くの動植物に利用されているのでしょう。

ザリガニやカメの生息場となり、それを餌とするサギやカラス、アライグマやイタチがやってきて、泥はツバメの巣材となり、繁茂した抽水植物は北へ旅を続けるタシギの休息場となり、夜にはカモ類のねぐらとなり、薄い水は小さなコイ科魚類のゆりかごとなり、ボラの幼魚の束の間の食事場となり、大水が出た際はコイやナマズが遡上して繁茂した植物に産卵をして‥。

剥がされたマットの裏側。植物の根が網目状に絡まっています。

潟の土壌を司る植物。

削られて、でも頑張っている根。

干上がったコイやフナは、どのように還元されるのだろう‥。

再び泥に包まれるのはいつ頃のことだろう。台風の季節はどうなるのだろう。

目に映った潟の現実の一側面から、あれやこれやと考えました。〈若林〉□

 

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