2019年7月15日発売開始の『考えるロックフィッシュゲーム 佐藤文紀』。その刊行に合わせ、「考えるRFGの魅力」と題して、少しずつこの本のウリをご紹介していきたいと思います。

第二回目となる今回は【試行錯誤の過程がわかる!】です。

この本は2012~2019年に海のルアーフィッシング専門誌『ソルトウォーター』に掲載された同名の人気連載をベースにして構成しています。

もちろん、一冊を通して2019年の今、読み込める内容に所々の改変は行っておりますが、基本的に、この釣りの第一人者である佐藤文紀さんが、その時々に体当たりでチャレンジして開拓してきた試行錯誤の過程がそのまま収録されているのです。

たとえばこちら。

初出の2014年当時はナイトゲームが主流だったキジハタの岸釣りを、日中にチャレンジして結果を出した記事。佐藤さんにはそれまでにもナイトゲームや日中のボートフィッシングで経験はあったものの、本格的に岩場に立って日中にキジハタを狙うのはこの時が初めて! つまり佐藤さん自身、確実な答えはわからないまま、それまでの知識と経験をもとにトライした記録、というわけなのです。

さらにこちら。

今、大人気のオオモンハタ。佐藤さんが岸釣りでチャレンジしたのは2016年。この記事の取材時でのことでした。

実際に初めて釣りをする当日朝のインタビュー。2ページにわたり、まだ狙ったことのないオオモンハタに対して驚くほど明確なビジョンを組み立てていることがわかります。

結果として、この時、オオモンハタは釣れませんでした。

今回の記事には、2019年現在の佐藤さんが、当時の釣りを振り返ったコラムを挿入しています。つまり、あの時は全力でこのような釣りをしたけど、今思えば、実際にはこうでしたよね…みたいな反省?ならぬ振り返りを知ることができるのです。これもなかなか貴重な記録です。

オオモンハタに関しては、その後にリベンジマッチともいえる釣りを見せてくれています。初めての釣りとリベンジマッチ。佐藤さんの釣りはどのように変化を遂げたのか? そんな読み込み方も、とても興味深いところです。

オオモンハタに関しては、この後、さらに「アカハタとの釣り分け」というテーマで、もう一度、釣りを紹介しています。この時は完全にオオモンハタを手中に収めた佐藤文紀の釣りがご覧いただけます。

・・と、このように、一人のアングラー(釣り人)が、ある魚をどのように理解して釣れるようになっていくのか。その過程がしっかりと収められているのです。面白いもので、たとえばオオモンハタが釣れなかった初挑戦で、佐藤さんは大型のマダイを釣りました。マダイもうれしいっちゃあうれしいのですが、オオモンハタを釣る釣りとしては正しかったのか?間違っていたのか? ところが回を重ねるうちに、マダイが釣れる釣りはオオモンハタにとって「正解」であることがわかってきます。

ちなみに佐藤さんいわく「オオモンハタの釣りはサクラマスの釣りにとっても近い」とのこと。その真意も本には書かれていますので、ぜひご覧になってくださいね! 〈若林〉□

 

☆『考えるロックフィッシュゲーム 佐藤文紀』2019年7月15日発売開始です!☆(詳しい販売方法はこちらにて)