まだまだ寒いですねー。 というこの言葉も、一種のひとり言のようなわけでして・・。
私、釣りに行くのって、圧倒的にひとりが多いんですね。 単独行です。 で、ひとりで一日、だれもとも出会わない山の中の川なんかで釣りをしていると、どうしてもひとり言が多くなるんです。
「あ、あぶねー!!」(流れの強い川を渉る途中で足を滑らせたときなど) とか 「下手だなぁ~」(木の枝にルアーやフライを引っかけた自分) とか 「落ち着け落ち着け慎重に・・」(堰堤脇の崖をよじ登って高巻きながら) など。
こんなのはまだいいとして、 「なんか今日、ひとり言、多いよな~ハハハ・・」 「って言ってること自体もひとり言だったりして、へへへ・・」
・・という三面鏡にどこまでも映る自分みたいなひとり言とか。
ともあれ、そんな「完全なるひとり言」がある一方、「相手のあるひとり言」というのもありまして。
「おッ、また会いましたな・・」(毎回同じ木の上にいるニホンザルに向かって) とか 「なにもせんから出ないでね!」(姿の見えぬクマに) とか 「ゴメンゴメン、もうちょっと!もうちょっとだけ・・・」(撮影中のイワナに) みたいな。
で、ときとしてそれは、こんな相手にも向けられるのです。
鹿の死骸。 私の行く川では、春はこんな死骸がごろごろしています。 雪に弱いんですね、鹿って。
斜面を下って川辺に降り立ち、おっこらしょ・・と腰を降ろしたら横におりました。
「おまえ・・」
で、こんな死骸とも話します。 なにを話しているかは秘密・・というか、すぐに忘れてしまいます。
でも、話していることは確かなのです。□
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