いよいよ明日は3月1日。

多くの渓流が解禁を迎えます(10~2月は釣りが禁止されている川が多いんです。渓流魚であるヤマメやアマゴやイワナが産卵をする時期であることと関係しています)。

やや強めの北西風が予想されますが、おおむね天候は晴れ。

皆さんのざわざわした感じがSNSからもうかがえます。

 

 

足しげく通う川だとしても、約半年ぶりになりますから、変わらぬ様相に安心したり、魚が釣れずに不安になったり(たいてい、解禁してしばらくは寒いからかあまり釣れません、私の場合)。

 

なかでも魚と出会えるとホッとするのは、こんな堰堤が連続する川でのこと。

堰堤01 (800x600)

いまや堰堤がまるでない川のほうが珍しいぐらいですから、おなじみの光景であり、その直下は魚が溜まる好ポイントでもあるわけですが・・・これって考えてみると、魚にとっては一方通行なんですね。

 

上流から下流に落下することは可能。

下流から上流に上ることは不可能。

 

で、たとえばこれが100mおきにあるとしたら・・・

そこに棲んでいる魚の世界は、堰堤に挟まれた100m、というわけです。

 

たとえば50年前に作られた堰堤が前後にある100mにイワナが棲んでいたとします。

放流とかは、されていない場所だとしたら。

そこにいるイワナにとっての世界は100m。

 

そのイワナにとって、100mが広いのか狭いのかはよくわかりませんが、半世紀もの間、その100mで脈々と命を繋いできたのだと考えると、なかなか感慨深いものがあります。

 

「地球は丸い」と唱えたのはガリレオ、でしたっけ・・?

遥か昔、天動説の時代、海は水平線の先でザザーッと滝のように流れ落ちていくと信じられていたようですが、堰堤の連続する川は、そんな世界を喚起させます。

 

おれ、ちょっと下見てくるわ、と泳いでいった好奇心旺盛なイワナはそのまま行方不明に。

かと思えば定期的に「上の世界からやってきた」というナゾの新顔が現れたり・・。

 

大水が出て、多くが「下の世界」に流されたこともあったでしょう。

たくさん釣られていなくなりかけたこともあったでしょう。

 

それでも生き残ったやつらでまた繁栄したり、上から流されてきたやつらが留まって棲みついたり・・。

 

そんなこんなでなんとか繋がっている、100m天動説小世界のイワナたち。

 

連続する堰堤を見ると、そんなことを考えてしまうんです。

 

 

なので、ちょっと個性的な顔立ちをしているイワナと小世界で遭遇しますと、

 

堰堤02 (2) (800x599)

 

「オマエハドコカラキタノダ?」

 

な~んて問いを投げかけてみたくなるんです。□