埼玉南部、いよいよおそろしいまでの灼熱の日々がやってきたように思います。こうなると事務所の冷房が負けてしまい、困ったことになるのですが・・。小回りが利くように片道40分の自転車通勤を再開しました。

この一週間、取材で出張をしていたり、その合間に川を覗いては川ミミズを掘ったりしていたのですが・・。

その中のこんな川にて。

なんの変哲もない小規模な二面護岸河川。水深は平均してひざ下のくるぶし上ぐらい。

こんなタイプの川でミミズが護岸を這ってはコケを食んでいる様子を観察していますので‥。どうだろう?と少しだけ掘ってみたのです。

アメリカザリガニがたくさんおりました。

そしてたくさん食われてました。

このようにボディだけかじって硬い部分を捨てるのは、鳥というよりも四足の動物でしょうか・・。

ふむふむ、タヌキはおるようですな・・。

カワニナの古い貝殻や・・

結構大き目で真黒いシジミの貝殻も発見。

カエルはアカガエル系がちらほらと・・。

川辺にはハグロトンボがヒラヒラと飛んでました。こちらは朽ちた死骸。

でも良く見ると翅の先に白く小さな斑点があるな‥。

あとで調べてみたら、ハグロトンボに近い仲間のアオハダトンボだったそうです。

このトンボがヒラヒラ飛んでいるのを見ていると、どでかいオニヤンマ(と思わしきトンボ)がシュッとやってきて、ガサッ!!っとものすごく大きな音を立てて狩り、手に大切にかかえたまま飛び去っていきました‥。

さて。この川の底質の具合は、いつも川ミミズ観察をしている二面護岸河川とよく似たものでした。砂の上に砂利と小石。少し流れが速い所には黒川虫が巣を張って石同士がマットのように連結されています。そして流れがたるんだ所では逆に粒子は細かくなり、シジミがいるような・・そんな感じ。

ヤナギタデはなかったと思います。アシのような植物とミゾソバはありました。

で、しばし掘っておりますと・・。

なにやらシジミよりも大型の貝を発見。

なんとマツカサガイです!(だと思います)

学生時代、友人の論文研究でこれに近い仲間のニセマツカサガイの採取を手伝ったことがあるのですが、それにもそっくりでした。でも持ち帰った貝殻を調べてみたところ、おそらくはマツカサガイのほう(だと・・)。

石の下の砂&砂利に半分埋まっている状態です。

この貝がいるってことは、そこそこ水質はいいのかな?

結構デカいのもいた。

トビケラの巣材にされてもいました。

さて。そんな川でありましたが、やはりおりました。

10㎝に満たないほどのフトミミズ系。

そしてこんな砂から顔を出したのは・・。

ナチュラルプロブルーのような?

実に美しき川ミミズでした。

環帯が見られないから・・幼体なのかな?

そしてメッチャ長いイトミミズのような・・。思うにこいつこそが水生ミミズなのではないでしょうか・・。

いますね。

マツカサガイに隠れるようにしていたのも・・。

でた! ぶっとい奴・・。

こいつはおそらく・・ですが、普段観察している二面護岸の川にいる「ぶっといミミズ」と同じなんじゃないかなぁ。

おったのはこんな護岸際。

護岸にはミミズの食べ物?だろうコケも生えてます。

雨などで護岸が湿った夜には、這い上がってむしゃむしゃやっているのでしょう。

寝ているところを起こしてしまった。

デカいんですよ。25㎝以上。いや、私だってキモチワルイんですよ‥。

他にもちょいちょいとフトミミズ系が。

さらに川を下ると、もう一本の支流との合流部に出ました。

こんな感じに山間から流れてくるもう一本の支流は水がかなり冷たい。そしてその水が影響する所を掘ってみましたが、マツカサガイはいませんでした。そしてフトミミズ系も小型のが一匹だけ。

ですが代わりに・・

これは・・

オレハッちゃんじゃないですか!

4匹ほど見つけることができました。

普段通っている二面護岸河川でも思っていたことですが、環境の僅かな違いで、そこにいる川ミミズは変化するようで、なかなかに興味深いのです。

ほかにはこんなのや・・(マゴタロウの小さなやつ?)。

「川ムカデ」ことヘビトンボや・・(きっとミミズも食べているのでしょう)

さらにムカデのように見えたヤマトクロスジヘビトンボの幼虫も‥(※ネットでうっすら調べたのみです)。

キモチの悪いヒルや・・

得たいの知れないもの。

さらに寸詰まりのドジョウかナマズの類の幼魚とオレンジ色のアブラハヤの幼魚のようなやつと、ぶっとくて写真にも撮れないほど苦手なガガンボの幼虫や、もちろん黒川虫も多数。

いろいろと実に興味深い川でした。機会があったらまた行こう。

最近思っていることとして・・。

・川ミミズは意外にどこにでもいるみたい。

・距離離れていてもいるミミズはだいたい同じ?

・シジミも案外どこにでもいるみたい。

マツカサガイのいる川で、そんなことを思ったのでした。〈若林〉□

 

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