今日は晴れ。午前中は北寄りの風が強めに吹き、なかなかの肌寒さ。 そんななか、気になっていたことを確かめに……川へ。 ……も、行ってきまして、ねらっていたとおりの収穫もあったのですが、それよりも「あーいい観察であったな・・と、遅めの事務所入りをしてみると・・」
なんと川ミミズが誕生してましたー!! おそらくこいつは、昨日のブログでも報告しましたが、私が卵胞をプチッとやってしまったミミズ。一度は卵胞の中に戻って収まっていきましたが、活動期である夜にまたのそのそと這い出してきたのでしょう。これでようやく「孵化」と言ってよいかと思います。 卵胞とのサイズ感はこんな感じ。卵胞が1.3mmぐらいの径でして、生まれたミミズは15mmぐらい。それよりこのミミズがその下にある卵胞にすっぽりと昨日まで収まっていたなんて驚きですよね。急に大きくなるのかしら・・。 体色はほぼ透明で、内臓?が透けて見えています。 そして活発に動き回っています。 まだ何ミミズかは全くわかりませんが、この頭の曲げ具合とか、長くなったり半分ぐらいに短くなったりする伸縮率の高さから、ツリミミズ科のミミズなのではないかと予想しています。 あてずっぽうですが「オレハチ」なんじゃないかなーと。 これがフトミミズ科っぽくなっていくとしたら、それはそれですごいんですけどね。 ともあれ、誕生です! やりました! いただいていた仕事メール返信の際に報告したりツイッターに動画をアップしたら、数人の方々から祝福のメッセージが届きました。こんなに人から祝福されたのっていつ以来だろう・・。 いただいた祝辞をいくつか読ませていただきます。 〈誕生ミミズ、みました! もう卵の中には戻らないで泳いでいるんですね。
〈ひゃー。こわごわ見ていましたがが遂に!おめでとうございます♡〉Sさん
〈お父さん、おめでとうございます!〉Nさん
いや、父ではない・・。
みなさま、ありがとうございます<(_ _)>
それはそうと、大事なのはここからです。 卵胞に収まっている間は、水温管理ぐらいしかやることはなかったのですが、卵胞から孵ってしまえば、そこからはこのミミズも自立して生きてゆかねばなりません。隠れ家を探して潜りこみ、エサを食べて成長しないと・・。 たとえばサケやイワナなんかでは、生まれたばかりの子どものお腹には「さいのう」という栄養袋が備わっていて、しばらくは石の間にジッとしながらその栄養袋で生きていくことができるのですが、ミミズの場合は何かを食べないとならなそう・・。 なにかというのは・・そう、泥ミルクです。
遅めの事務所入りをした私は、弁当を食べると再び事務所を出て、湧水場へと向かいました。 決して暇なわけではないのですが、相手が生き物だけにしかたありません・・。 川ミミズが育つこの環境の一部を再現しなくては・・。 こんな落ち葉の類が、おそらくミズムシやヨコエビ、川ミミズたちの食べ物。そして掛け布団。そして棲家にも。 生まれたばかりのミミズなら、このような底にたまった泥に混じる有機物を食べているのかもしれません。食べ物となる有機物混じりの「泥ミルク」ですね。 ナニモノかに食べられてこんなふうになっているのでしょうから、これも持っていきます。 こんな感じ。 もうひとつの容器には、泥ミルク用の底砂土を少し。 コーヒーのようにも見える泥ミルク。味見は・・しません。 リシア的なウキゴケ類も隠れ家用として少しだけ。 事務所に戻ってきました。 左の容器が泥ミルク、右の容器が落ち葉類、そして一番右にあるケースが川ミミズの「ゆりかご」というわけです。 ピンセットでつまんで・・ レイアウト。 落ち葉を重ねてゆきます。 アクセントにコケ類も少々。 海藻サラダのような・・。ちょっとしたアクアテラリウム感覚。実にささやかな・・。 そして泥ミルクをスプーンですくいます。四川風麻婆豆腐のたれのような・・。 こんな感じでしょうかね。ちなみにケースは1片が8㎝ぐらいです。 葉っぱを上にすればよかったな‥。 そしてミミズを乗せると・・。 ぐんぐんと潜っていきます! なんとなく上手くいったみたい。 そして仕上げに泥ミルクをスポイトで移していきます。 こんな感じ。深さは1.5㎝ほど。 これを19℃設定の飼育槽に入れればできあがり。 左が孵化した川ミミズ用、右下は湧水場で採取した川ミミズ卵胞。そして真ん中は・・。 さすがにミミズにかまって一日が終わってしまいそうなので、また明日にします・・。 それにしても・・ 卵胞が次々と孵化しはじめたらどうなるんだろう・・。 里親を募集するか・・。
ともあれ、ひとまずは誕生を喜びたいと思います。〈若林〉□
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