東京五輪の開会式が始まるちょうどその時‥つまり昨晩ですが、私はかねてから川ミミズの観察を続けている二面護岸河川に足を踏み入れておりました。

車外気温35℃超えが3日続いた夜、雷雲が押し寄せ、時折パラパラと雨が落ちる。そんな日没直後です。

川の両側にせり上がるコンクリート護岸の表面はからからに乾いています。雨が多かった梅雨時期は護岸の温度もさほど上がらず、表面も湿っていましたら、水面から1~2mほどの所に開いた護岸の隙間(穴)で日中を過ごしていると思われるミミズがたくさんいました。

ですが、こうも気温が上がると、日中はとても護岸の隙間にはいられないでしょう。湿り気もほとんど失っていますし、なにより暑すぎると思います。

こうなると、川ミミズたちの居場所は護岸の上の土の中か、もしくは護岸の下を流れる川に敷き詰められた砂礫や落ち葉の裏側となりそうです。

 

私がこのところ、ずっと考えているのは、これら川の中にいるミミズ、いわゆる川ミミズたちは、川に入った後、どうなるのだろう?ということです。それ以前に、これらの川ミミズはどこからきたのだろう?という疑問もあります。

いずれにせよ、暑さが続けば護岸の間で日中を過ごすことはできませんから、多くは川底に潜むしかなくなるとは思います。

川底にいる限り、乾燥からは常に回避することができます。一方で、餌は土の中に比べると少ないようにも感じます。川の中にも、例えば大きな石の下流側などは流れが巻くことで土が溜まり、そこに植物が生えて腐り土となり、ミミズたちの食べ物が豊富にある環境ができあがるような気がします。

ですが、さらさらと流れる瀬では、川底の砂礫と砂の間に棲んでいるミミズはどれだけ豊富な食べものを得られているのだろう?と疑問が湧きます。

土中のミミズが夏の雨後などに土の中から大量に這い出して徘徊することは有名です。その一部が川に流れ込み、ウナギの重要な餌になっているという報告もあります。それはおそらく「雨」がトリガーとなっていて、なぜ雨で動き出すのかには諸説ありますが、私は雨により地面が濡れることで「ここではないどこか」に行こうとしてるのではないかと妄想しています。「より暮らしやすいどこか」とも言えるかもしれません。

いずれにせよ、トリガーは雨。あとはもちろん外敵に襲われづらく気温湿度ともに適した夜。

だとすると、川の中にいる川ミミズたちにとってのトリガーはなんなのだろうと思うわけです。

雨によって地面が濡れることで‥とは言えません。もともと川の底は完全に濡れている場所だからです。

だとすると、他には‥。

ミミズによっては半月(特に下弦の月)の日に大量に土中から這い出すという観察例もあります。

また、ミミズに近い環形動物のゴカイ類は、大潮など潮の動くタイミングの満潮で泥底から這い出して一斉に産卵する習性を持っています(いわゆるバチ抜け)。

もしかすると、川ミミズにも月の影響を受けた行動が残っているかもしれません。

昨日は月の引力の影響を大きく受ける大潮。東京の満潮は午後5時ぐらい。日没は7時半ぐらいでしたから、満潮をすぎて下げ潮に入ってはおりますが、もしかすると、何かのタイミングになっているかもしれないと思いました。

また、猛暑続きの雨前ですから、護岸の隙間(穴)に潜んで暑さを我慢していたミミズたちもまた、夜になれば川に出てくるだろうと予測しました。

私の大きな興味は、川底を泳ぎ回る川ミミズの行動ですが、普段はそんなに見ることができません。ですが条件が整えば、もしかするとワラワラと、それこそバチ抜けのゴカイのように川底を大量に泳ぎ回る姿を見ることができるのではないかと、そんなことを妄想しています。

さて。

19時40分より。30mほどの区間で見られた川ミミズの記録です。

護岸のすぐ横の水中で。ホソスジミミズ? オヨギデカミミズとは同じぐらいの大きさだが、縞模様が目立っている。

こちらはオヨギデカミミズ。かさかさの護岸を上ろうとしていた。

再びホソスジミミズ? 

オヨギデカミミズかな‥。水面に半づかり。上にいるのは富山ブラック。

水中に弱ったオヨギデカミミズ。護岸からは50㎝以上離れている。

水面上10㎝ほど。

水面上3㎝ほど。

ほぼ水面。

鳥(おそらくムクドリ)の死骸に集まるエビたち。

猛禽に襲われ後なのか・・。

水面上2㎝ほどにオヨギデカミミズ。

ほぼ水面にオヨギデカミミズとその上に富山ブラック。

若いオヨギデカミミズだろうか・・。

川底にホソスジミミズ? 護岸からは1mほど離れている。

これは同じやつかもしれません。

そしてもう一匹、川から出てきたと思わしきやつ。護岸からは1mほど離れている。

水面上10㎝ほど

水面上2㎝ほど

水面上10㎝ほど。いずれも湿った範囲内。

水面上10㎝ほど。富山ブラック系。こいつが泳ぎ回るところは見たことがない。

水中。護岸のすぐ横。

金魚すくいの金魚ほどの大きさのヒゴイの子ども。

水面上5㎝ほど

水中2匹目。弱っていて、おそらくもうすぐヒルやエビにやられる。護岸から1mほど。

泳いでいる川ミミズ発見。おそらくマッチョ虹色系。光を嫌がって潜ってしまう。

また川の中。護岸のすぐ横。これはオヨギデカミミズ。

コロコロに太った10㎝ほどのコイ。ミミズ食べているのだろうか・・

 

結果として、水面上10㎝以内の護岸に13匹、護岸にほど近い水中に4匹、そして護岸から50㎝以上は離れた川底には少なく見積もって5匹の川ミミズが這いだしているのを観察することができました。

イメージ図です。

梅雨時期に比べても観察例は多かった。おそらく梅雨時期は、夜の間も護岸の隙間に収まっているやつが結構いるのでしょう。あとは日中の暑さを耐えたミミズが涼を求めてたくさん出てきたのかもしれません。

興味深かったのは護岸から50㎝以上は離れた川底を泳いでいた川ミミズたち。

これらは果たして、どのようなミミズだったのか・・。

川底から這い出して、より暮らしやすいどこかを目指して泳いでいたのか・・。

護岸の隙間(穴)から抜け出して泳いでいたのか・・。

今日は比較的たくさんの泳ぐ川ミミズを観察することができました。

が、多くを見逃している予感もあります。

①ミミズは光を嫌う。

②ミミズは振動にかなり敏感。

フロートボードに這いつくばりながら(もしくは護岸上からロープで吊るされながら)、暗視スコープを用いることで、より本来の川ミミズたちの姿を観察することができる予感はありますが‥。

やはり一点で動かず出待ちするしかないのか(蚊がすごい‥)。

もうちょっと機会をうかがって観察を続けてみたいと思います。〈若林〉□

 

★RIVER-WALK Vol.1~Vol.3発売中です!★