今日は最高気温37℃の予報が出ている埼玉南部。

最も室内温度の上がる午後3~4時をどう乗り切るか‥。

さて。昨晩、仕事帰りに、ひさびさにオヨギデカミミズが泳ぐ川を見にいってきました。

12日ぶりです(時の経つのは驚くほどあっという間です‥)。

以前のブログでオヨギデカミミズ等、泳ぐミミズ3種(私の中では「オヨギデカミミズ」「オヨギデカシマミミズ」「マッチョ虹色水生ミミズ」となっております)の泳ぎ方を3タイプ紹介しました。(詳しくは過去ブログ【川ミミズの泳ぎ3態】をご覧になってください)

SEA SNAKE SWIM(ウミヘビ泳ぎ)

SEWING CRAWL(縫いざしクロール)

CAPUCHIN MONKEY CRAWL(オマキザルクロール)

です。

ですが、ブログが長くなり力尽きて、最も頻繁に見られる泳ぎ方について紹介できておりませんでした。

それが今回紹介する泳ぎ方。

HIPPO HOPPING SWIM(カバ駆け泳ぎ)です。

これは「マッチョ虹色水生ミミズ」のカバ駆け泳ぎ。一見、ただ水中の砂礫底を這っているように見えます。まさしくその通りなことも多いのですが、這いながら川底から少し浮いているというか、月面歩行のようなイメージで、這うよりもスルスルと進んでいくことができるのです。

図に書くとこんな感じ。蠕動(ぜんどう)運動とも呼ばれますが、ミミズは体を伸縮することで前へ前へと進んでいきます。その際、体に生えた毛を地面や土の壁に引っかけて効率よく進むそうです。ただ、水中の場合、地面や土中を進むよりも接地面への抵抗が少ないため、地面を蹴りづらいと言いますか、前に進む力は生みにくいと思ってしまいます。

もちろん水の抵抗もありますが、それ以上にしっかりと接地できなければこの進み方は難しいように思うのですが‥。

実際は、なかなか器用にするすると進みます。ヘビのような蛇行を見せることもありますが、ほとんどの場合、一直線のままフワフワと時折地面に設置しながらスルスルと進んでいくことができるのです。さらにこれに流れの力が加わると、まるで川下りを楽しんでいるかのようにスルスルと進むことができます。

おそらくですが、体全身の伸縮を一生懸命やる意味は水中では大きくないと思います。それよりも接地した部位がしっかりと前進するための駆動を行うことが大切なのではないかと‥。

ミミズの体には毛が生えていて、それが土中や地面での駆動に役立っているそうです。水中の場合、接地面は限られますが、設置した部位の毛が図のようにしっかりと対象物をつかんで掻くことで前進力を生み出しているのではないでしょうか。

では、なぜこの泳ぎ方がカバ駆け泳ぎなのかと言いますと・・。

お時間がある方は、旭山動物園の水中を跳ねまわるカバの動画をYouTubeなどでご覧になってみてください。まさに!(とまでは言いきれませんが)あの泳ぎ方に似たイメージを持っているからなのです。

接地した脚で地面を掻いて前進するカバ。とても優雅です。

 

そして昨晩、12日ぶりに川へと向い、オヨギデカミミズのカバ駆け泳ぎを見に行ってみたのですが・・。

すでにサクラの落葉が始まっておりました。これからどんどんこの落葉が増え、それが川に溜まっていきます。

いつも観察する区間で見ることのできたオヨギデカミミズは、なんと一匹だけ。それも水面から30㎝ほど上の護岸の穴から顔を出している姿でした。

それよりも細い、もしかするとオヨギデカミミズの幼体?は何匹か見ることができました。

ですが、泳いでいる姿はまるでなし!

壁に取りついているオヨギデカミミズも観察区間では一匹だけ(一生懸命普段見ないところまで探したら3匹いましたが、いずれもコケにうずくまってあまり元気ではない様子)。

12日間経った間に何かが変わってしまったようでした。

・寿命なのかもしれない。

・天敵に一斉に食われてしまったのかもしれない。

・下流に流されてしまったのかもしれない。

・川底に潜んで出てきていないだけなのかもしれない。

昨年の8月12日のブログ【彼らは川に入りたがっているのか?】は、色々なことを示唆してくれますが・・。

今年も、もうちょいだけ観察を続けてみたいと思います。〈若林〉□