昨日から新宿エルタワー28Fのニコンプラザ東京 THE GALLERYで、二神慎之介さんの写真展「羅臼」ー漁師の海、ヒグマの山ーが開催されています。

ひさびさに観る二神さんの大判写真にワクワクしながら、初日に観に行ってきました。

羅臼町の協力も得ての開催。地元と密着した撮影活動が伺えます。

ギャラリーの入口には手作りの羅臼紹介マップも。

ギャラリースペースには北海道知床半島の港町、羅臼とその近くに住む野生動物たちの四季の暮らしが季節を追って構成されていました。

じっくりと時間をかけて写真を味わう時間は、なんて心地よい時間なのでしょう。

二神さんならではの、空気感と撮影対象の「そのままの姿」が今回もとても印象的でした。

写真の半分はヒグマやサケを中心とした知床半島の野生動物、もう半分は羅臼の漁師たちという構成です。テーマを知った時からどのような展示になるのかとても興味深かったのですが、四季の中で隣り合わせに生きる人と野生動物の姿が、見事にシンクロし、同じ土地に生きている息遣いを感じさせるものでした。

春の静けさ、夏の清々しさから、秋の生々しさへと切り替わるさまを見ながら、知床半島という土地の持つ豊かさも体感できます。朝日に照らされた漁師たちの見逃しがちな風景に打たれ、生きる捕られるサケやカラフトマスの姿にグッときて、やはり惹きつけられてやまないヒグマの写真。

黒く濡れた凛々しいクマが舌なめずりをする姿は、この大判サイズでぜひとも観て欲しい一枚。

昨年発行された『ヒグマの旅』に、ハイマツを食べるクマというとても好きな写真があるのですが、そのクマのアナザーカットもありました。

無理にメッセージを突きつけられない心地よさを感じつつ、その中で私の中に浮かび上がってきた感覚は、人も動物も、それぞれが寄りかかっているのではないか・・という感覚。それぞれが単体で生きているわけではないという感覚が自然と湧いてきたのでした。

写真展『羅臼』は1月24日(月)まで東京で(日曜休館)、2月10日(木)〜2月23日(水)まで(日曜休館)大阪で開催しています。時間は10時半〜18時半(最終日は15時まで)。詳しくはこちらをご覧ください。

ギャラリーでは写真絵本『ヒグマの旅』も販売しています。在廊中はサインも入れてくれます(ネズミのような?と評判のヒグマの絵も希望により添えてくれるはずです!)

大きな写真でこそ得られる感動があるはずですよ!