今日も良い天気。このところ埼玉南部は良い天気が続いてます。 で、今日も少しだけ川っぷちを歩いてきました。目的な小さな湿地のドブガイを食べたケモノを探ることでした。こちらもある程度の成果はありましたが、またおって・・。 それと合わせてカヤネズミの古巣を探してきました。 カヤネズミがいるのはこんな場所。川辺の茅場です。 カヤネズミについては、2年ほど前から冬場になると茅場を探していたのですが、ようやく今年の冬、初めて古巣を見つけることができ、存在を確認することができたんです。 それがこちら。大きさはテニスボールぐらい。ススキのような葉を細く裂き、それを丁寧に丸く編み込んで球状の巣を作ります。底部にはセイタカアワダチソウの穂が使われていて、内部にはススキのふわふわな穂が敷かれていました。 詳しい動物写真家の方にお聞きしたところ、内部にススキのふわふわがある巣は夏ではなく秋になってから作られたものだそう。そして冬場は巣から出て、地面近くのトンネルで暮らすのだそう。ハタネズミが作ったトンネルをカヤネズミが利用することもあるのだとか。 そして昨日、2例目となる古巣を見つけることができました。ススキの葉の先端が丸められ、そのままぶら下がっている状態。大きさは最初のよりも少し大きくソフトボール大。また少し、カヤネズミに近づけた気になりました。 カヤネズミの巣はかなり見つけづらいと思うのですが、ちょっとしたコツがあります。それは太陽の位置を変えてみる、ということです。朝と昼と夕方では太陽の光の当たる角度が違いますから、それによって気付けるかどうかが変わってくると思うのです。昨日は午後に見つけたので、今日は朝方に行ってみたのです。 ですが見つかりませんでした。やはりそうそう見つかるわけではないのです。 一瞬、おっ!と思ったのはこちら。枯れた葉が丸まっていただけでした。 もう一回、おっ!と思ったのはこちら。ドームの上にカヤネズミが立っている!?と焦りましたが気のせいでした。 まあ、そんな簡単には見つかりませんよね・・と諦めました。でもいいんです。いることはわかっていますから。そして彼らの冬場の暮らしを思いつつ、川辺を歩いて戻りました。 川っぷちには今日もモズがたくさんいました。 結構大ぶりのやつも。彼らもきっと小さなカヤネズミを襲っているのでしょう。 ノスリのような猛禽も・・。 イタチもいますし、なんでもカマキリもカヤネズミの子どもを狙うそうです。小さな小さなカヤネズミは日本最小のネズミだそうで、多くの野生動物に狙われているに違いありません。でもその小ささを生かして草の上に巣を作る習性を身につけたのでしょう。 今はきっとハタネズミのトンネルを拝借したりして、茅場の地面を駆け回っているに違いない。ハタネズミと出くわしたらどうなるんだろう?・・なんてことを思いつつ、川から上がろうとした、その時でした。 ネコが何かを襲ってる! すごい表情だ。 鋭く爪を出した太い腕に包まれているのは……ネズミだ! そして接近するとネコは逃げ、そこに残されていたのは……。 カヤネズミだ。小さい。体の大きさは500円玉ほど。本当に小さい。 まだかろうじて生きてました。そしてピクピクと痙攣し、そのまま絶命。 茅場を駆けずり回っていただろうしなやかな脚。 なんとも言えない初めての出会いとなりました。〈若林〉□
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