昨晩のまとまった雨で、今朝の川は濁った増水。 川の中の様子は観察できませんでしたが、この雨が呼び水となって、濁りがおさまった頃にログ・サーモンとニゴイの産卵が本格化するのではないでしょうか。コイのハタキも始まるかな・・。 一昨日、昨日ととても暖かく、昨日は25℃に届くかというほどでした。 一昨日の3月30日は、事務所前のガタでアマガエルが初鳴き。その夜にはクビキリギスがガタのそばと川のそばで初鳴きとなりました。ツバメもきたし、オケラも鳴いたし、あとは川ミミズの泳ぎ始めかー・・と。 こちら「オヨギデカミミズ」となります。長さは20センチほど。この2年、夏に成体が川底を泳いでいる姿は観察しているのですが、それ以前はみていないんですよね。 いつ頃から彼らは泳ぎ始めるのか・・。 私の中では「マッチョ虹色川ミミズ」と「オヨギデカミミズ」が「泳ぐミミズ」という位置づけなのですが、マッチョのほうは冬でも川底には成体がいるので、おそらく多年生のミミズだと思うんです。一方、オヨギデカは冬場になると姿を消してしまうので、おそらくは1年で寿命を終える一年生なのではないかと・・。 暖かい1日だった昨日、夕方よりポツポツと雨が降り出したタイミングに、少しだけ「オヨギデカミミズ」の川へ行ってきました。 夜桜。 桜の花びらがたくさん流れていました。 二面護岸の壁は案の定濡れておりまして、このタイミングで「オヨギデカミミズ」が壁を這うのではないかと期待してきたのですが、何もいません。やはりこの時期はいないのか・・。 まず見つけたのはこちら。 おそらくシマミミズ。壁際の水中に没しておりました。シマミミズはこのように流れの緩やかなところで半身浴のようにしている姿をよく見ます。ちなみに光にとても敏感なミミズです。 護岸にミミズの姿がなく、水中も桜の花びらで見づらいので、これはダメだったか・・と諦めようとしたその時でした・・ ・・おった。体を川底の上に露わにしてうごめいています。 長さは10センチぐらいかな。白っぽく見えて、マッチョではありませんね。 水深は10センチほど。結構、流れもあるところですが、ちょうど岩が上流側にあり、ピンポイントで流れが緩やかになっておりました。護岸からは1mほど。私の存在に驚いて護岸からぽとりと落ちたわけではなさそうです。 手にとって観察。ハチマキはないので幼体ですが、この頭の感じはまさしく「オヨギデカミミズ」の雰囲気。そして「オヨギデカミミズ」特有のフニャフニャな体。 このミミズは本当にすごいのですが、フニャフニャのやわやわなのが、突然ムチっと体を張って、まさに「跳ねミミズ」のごとくグネングネンと激しく動き回るのです。 ミミズ耐性のある?私にとっても、この変わり身だけは、毎回ビクッとしてしまいます。今回も激しく動きましたが、上手く撮影できませんでした。 水に戻すと、砂礫の隙間に潜って行きました。 私にとっては3月中に泳いでいる姿を見ることができたのは大収穫でした。しかも「オヨギデカミミズ」の幼体とおもしきやつ。これで少なくても幼体の段階から川の中で泳いでいることがわかりました。彼らは陸地から川にトラブルとして落ちてしまうのではなく、おそらくは川底で暮らしているのです(その両方かもしれませんが・・)。 おそらく産卵は夏から秋にかけてでしょうから、今年は卵胞を突き止めたいと思います(さすがにこのサイズになるミミズを飼おうとは思いませんが・・)。
濡れた護岸には2匹だけ「マッチョ虹色川ミミズ」のおそらく幼体がおりました。 マッチョのはオヨギデカよりも、引き締まった体をしています。そして太さの割に長さがあります。そして体には透明感があり、薄い体表の構造色が虹色に輝くのです。 そしてこの日はもう1匹。 こちらも10センチほど。 上手く写真が撮れませんでしたが、マッチョです。 ハチマキのある成体でした。 もぞもぞと川底の上を這っておりました。 現在、10センチほどの「オヨギデカミミズ」がいつ頃から夏に見られるように壁を這ってコケを食むようになるのか? その成長段階は? いろいろ気になることの増えた、夜の川ミミズ観察でありました。〈若林〉□
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