昨晩から時折、しとしととした雨が降っている埼玉南部。ここ数日の中では涼しく肌寒いくらいです。 ガタ(三面護岸水路)の水位が下がって上流にランドロックされたコイ80匹のうち、2匹が昨晩の雨に期待して下流へと旅に出たようですが、川まで行きつけずに座礁しておりました・・。 さて。 先週より、ちょこちょこ通っていたのが夜の川です。 夏になると大きなもので25㎝を超える大型の川ミミズ、通称「オヨギデカミミズ」がいつ頃から泳ぎだすのかを探るために、この時期から観察しています。すでに数匹が河床に出ている様子を見ているのですが、いずれもハチマキ(環帯)を持たない幼体です。対して「マッチョ虹色川ミミズ」はハチマキをもつ成体も見ています。思うに「オヨギデカ」は一年で生涯を終える一年生のミミズなのではないでしょうか。対して「マッチョ」や、私が自宅で飼っている「オレハチ」は一年以上生きる多年生なのではないかと予感しております。 そして、今気になっているのはこの川の「オヨギデカミミズ」がいったいどこからやってくるか・・ということなんですよね。両側にほぼ垂直の護岸がある二面護岸河川なのですが、その護岸の上が花壇のようになっていまして、もしかするとそこから雨後などにぽとりぽとりと垂直護岸を落ちてくるのかもしれません。死滅回遊魚のように、季節来遊魚のように・・。 ですが、私の希望?としては、できたら川ミミズは川の中でライフサイクルの大部分を過ごしていてほしいと思うわけです。なんでしょうね。身勝手な話ですが・・。 飼っている「オレハチ」なんかは湧き水場の底からとってきた卵胞が孵ってそのまま水中で大人になりましたので、おそらくずっと水の中で暮らしているのだと思うのですが、夏になると現れて冬場はいなくなる「オヨギデカ」のライフサイクルが知りたいのです。 一番手早いのは川底を漁って卵胞を見つけ、それを飼育することですが・・。 とてもじゃないけど「オヨギデカ」を自宅で飼うわけにはいきません・・。 水族館とかと共同で飼育・展示できたら、とても楽しいと思うんですけどね(今度、プレゼン資料を作ってみます)。 なので、それよりもまずは季節を巻き戻して小さい「オヨギデカ」を探せれば、それはそれで小さなうちから川底で暮らしていることがわかるのではないかと。つまりアレです。ニホンウナギの産卵場所を三千キロ離れたマリアナ海溝に見出した逆算手法ですね(違うか)。そして可能であれば、卵胞がある場所をある程度、推定して、秋口に成体が交接(ミミズはオスメスがないのですが、ある種は交尾のように接続することで互いに精子を交換したりするそうです)する姿を観察して見たいと思っています。 さて・・。 ここからミミズがたくさん出てきます。今回は(今回も)かなり刺激強めです。 苦手な方は、ここでそっ閉じしてください・・。
川の水深は概ね5〜10㎝ほど。川底の石にはアオミドロの類が繁茂しており、緑色になっています。夏場には気にならなくなるんですけどね。石の上にはカワニナの仲間。 ヒルも大小います。シマイシビル、でしょうか・・。こいつは多いです。川ミミズと似たところに棲んでいます。 ウズムシ的な? カゲロウの幼虫もいます。 ヒラタドロムシの仲間の幼虫も。 そして・・ いました! 意外なことに流れの強い流心近くです。ちなみにこの日は日中、とても暖かな一日でした。 体の後ろ側のこの白さ・・。 40㎜ほど。おそらくは「オヨギデカ」の幼体ではないでしょうか! こんな感じでいます。 「オヨギデカ」の特徴は、死んだふりをすること。これは「マッチョ」ではほぼ見られない特徴で、ふにゃふにゃだったり引き締まっていたりしながら、全く動かない時間が数十秒。それがいきなりグネングネンと素早く動き出したりもしますから、かなり心臓に悪いです。 きれいですよね。 またしても流心近くのアオミドロの中に発見。 こんな感じです。 取り出してみると、またしても死んだふり。でもきれいですよね。 そしてまたもや流心にいました。アオミドロから顔を出して動いています。 この日は合計4匹の40〜50㎜ほどの幼体を見ることができました。 「オヨギデカミミズ」の成体の断面は7㎜ほどはあるでしょうから、卵胞も直径で4㎜ぐらいはあるのではないかと考えています。おそらく生まれたてで全長20㎜以上はあるのではないでしょうか。そこから40㎜にまで成長する時間は不明ですが、このサイズからすでに流心近くにいるということは、産卵自体も流心近くで行なっている可能性もあるように思えます。 その3日後(昨晩)。 この日は曇り時々雨で、気温も低め。ですがちょっとした雨によるきっかけに期待して、少しだけ見に行ってきました。 いきなりいたのが10㎝以上のシマミミズ。 正直、苦手です。怖いです。シマミミズはどちらかというと流心よりも流れのないところに多くいる気がしますが、この日は少し流れの効いている場所にいました。 ハチマキもある成体です。おそらくシマミミズも多年生なのではないでしょうか。 それにしても模様が・・。 そしてこちらは8㎝ほどの「マッチョ虹色川ミミズ」だと思います。「オヨギデカ」よりも細身で透明感があり、光沢も強いです。節も目立ちます。これも「オヨギデカ」ともに川ミミズの中の川ミミズと私の中では考えています。 こいつはめちゃくちゃ活発に動き回ってました。光に驚き「ウミヘビ泳ぎ」まで見せてくれました。 まあこれも気持ち悪いといえばそうですが、私は平気です。 いやー、すごかった。 残念なことに、この日は「オヨギデカミミズ」らしき幼体は一匹も見ることができませんでした。なんとなく・・ですが、「オヨギデカ」徘徊には日中や夜の暖かさが必要なのかな?と思ってみたり・・。 25㎝ほどある金魚も・・。 もうちょい観察を続けてみたいと思います。〈若林〉□
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