今日は埼玉南部、とても暑いです。おそらく夏日は突破していることでしょう。

まとまった雨が落ちて、季節がまた少しズッと動いた気がします。

さて。今日は新しくカワモズクの生えている場所を見つけたり、川辺にクロモジの木が生えていることを知ったりと嬉しい観察がありましたが、それはまたおいおい。

小さな小さなカワモズク。チャイロカワモズクでしょうか。

カワモズクの話はまたいずれ書きたいと思うのですが、まずはなによりも昨晩の川ミミズの話をせねば・・なのです(今回も、苦手な方はここまででそっ閉じしてください・・)。

 

まずは白いエビ!

青、透明、黒、そしてこの白となかなかバリエーションに富んでいます。いずれ種類を調べたいなーと思っております。

さて。

ここ数日、「オヨギデカミミズ」の川を観察しています。

「オヨギデカミミズ」とは、その名の通り、川底を泳ぐデカイミミズです。成体ですと大きさは25㎝以上にもなります。太さは7㎜ほどでしょうか。正式名称は・・不明です。

「オヨギデカミミズ」についての詳しい解説は、ヤマケイ新書『武蔵野発川っぷち生きもの観察記』をぜひご覧になってください。

こんな感じに詳しく妄想を描いております・・。

さて。PRも済んだところで本題に移ります。

この「オヨギデカミミズ」はここ2年ほど、主に7月前後の夏に観察をしていました。このころの季節になると成体となったものが川底を泳いでいたり、護岸を這い上ってコケ(もしくはそこに溜まった有機物)を食んでいたりする様子を観察できていたのですが、これまで春には観察していませんでした。

ちなみに冬場には、見当たらなくなってしまいます。

そこで、いったいいつぐらいからこのミミズは川底を泳いでいるのだろう?と思い、今年は春からしばしば観察をしていたのです。

なんとなく感覚的にわかっていることは、同じところにいる川ミミズ「マッチョ虹色川ミミズ」よりも、どうやら暖かい日に出てくるみたいということです。「暖かい日」というのは4月基準での話です。そして出てくる日には複数匹観察できることが多いこともわかりました。

おそらくは、日中の暖かさなど、何かのきっかけによって、川底から湧いて泳ぎだすようなのです。

過去2回は肌寒い日で「マッチョ」は観察できましたが「オヨギデカ」は見当たりません。

そして昨日。水温すら測っていないのでなんとも言えないのですが、条件としては・・

・日中にアマガエルが鳴いた

・夕方にアブラコウモリが飛び交う

・夜にクビキリギスが鳴いている

・小雨がパラパラ

といったところ。まとまった雨の直後というわけでもなく、潮時がいいわけでもありません。

ただ、暖かい1日でした。

そして19時ごろから観察を開始。

護岸の穴に小型の「マッチョ」が見え隠れしています。ですが「オヨギデカ」は見当たりません。

せっかくなので、ブラックライトを当てて撮影。

ちなみに「マッチョ」は普通のLEDでもブラックライトでも頭側を照らされると嫌がります。なので、照らして撮影できるのは基本的に尻尾側。反応しているのは体毛です。体毛部分のみ蛍光成分があり、それが反応して光っているものと思われます。

暖かい日だったので期待していたこともあり、くまなく探しましたが「オヨギデカ」は見当たらず。諦めて何度か帰ろうと思ったのですが、勝手に条件はいいと持っていたので、少し粘ります。気になっていたのは曇った白い空が残照を残していたこと。

そして時刻は8時直前。なんとなく私も気配を感じました。じっとりと軽く汗ばむ雰囲気に加え、潮が満ちてくるようなひたひた感が、あくまでも感覚としてありました。シーバス釣りなどをしている人ならばわかると思うのですが、ありますよね。潮の動きが変化した時の雰囲気。風向きや風の強さも変わると思うのですが、それに近い密な感覚がありました。

まず小型の「オヨギデカ」っぽいのが、小石についたアオミドロから顔を出しました。そしてライトを前方に向けると・・

でかいのおった・・。7時59分。「オヨギデカミミズ」の幼体です。長さは20㎝ほどありますがハチマキがありません。体はみずみずしくフワフワで透明感もある。「オヨギデカ」独特の雰囲気をまとっています。

やっぱり出てきたんだ。

しばし観察。

この透明感。肌艶こそが「オヨギデカミミズ」です。

興奮しながらブラックライトを当ててみると・・

うわ!!! 光った!!!

なんと体毛のみならず、ボディ全体が薄く蛍光イエローの光を帯びたのです・・。まさにコスモ。小宇宙・・。

さらにその後、同じぐらいの大きさのを2匹、小さのを1匹。大小合わせて全部で5匹の「オヨギデカミミズ」を観察することができました。

あくまでも私の中の感覚ですが「オヨギデカミミズ」にはなんらかのトリガーというかスイッチのようなものがあって、その条件に合致した時に川底の礫中から抜け出し、川底を泳ぐのではないでしょうか。ひとつは日中の暖かさ、もうひとつは暗がりかもしれません。

なんともアメイジングな観察となりました。〈若林〉□

 

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