今日は曇り。まとまった雨が降ったり止んだり、また降ったりしていましたから、川辺の季節もだいぶ進んだようで、ニゴイの産卵行動は全く見ることができませんでした。そして気づけばオオバンも姿を見ることができませんでした。

代わりに癒しは小さな小さなカワモズク。本当に小さな空間にちょぼちょぼっとだけ生えています。そこを流れているのが湧き水であることを証明しているかのような・・。なんだか少し大きくなった気もしているんですよね。

さて。

ここからは4月27日の観察について。夜の川ミミズ観察です(注:出てきます)。

 

まとまった雨の2日後の夜。水は平水に戻り、濁りも取れました。クビキリギスはあまり鳴かず、柔らかい風が吹いていました。

何度か区間を往復するも、目当ての「オヨギデカミミズ」はおらず。それどころかなんのミミズもおらず、壁からもほんの少しだけ「マッチョ」が頭を出している程度。

ですが油断はできません。川ミミズは本当に突如、姿をあらわすのです。

夜の川ミミズ観察はとてもワンダフルです。まるで白いウサギを追って不思議の国に迷い込んだアリスのよう・・。突如、目の前にぽっかりと大きなミミズが現れるのです。

これについては、また改めて色々な妄想を膨らませたいと思うのですが、もしかすると観察者である私自身の影響も捨てきれず・・とも考えています。つまり、じゃりじゃりっと川底を歩く侵入者の音や光によって、川底に安住していた川ミミズが動き出す、というわけです。ただ、最初から入る場合もありますし、それ以上に私が思って入ることは「案外川底と砂利中の出たり入ったりは素早いのではないか?」ということです。

また、なんらかの条件がトリガーとなってミミズたちを突き動かしていることは十分に考えられます。それまでまるでいなかったのに、一気に5匹まとまって出てきたこともあります。できたらそのトリガーを知りたい。土中からの這い出しとの関係も知りたい。ミミズは正直苦手ですが、川に生きるミミズたちの生態はそれを上回って興味深いのです。

そしてこの日も、突如目の前に大きな、20㎝弱ほどのミミズがぽっかりと川底に現れました。

ぱっと見、体節のギザギザが目立つ印象。このような特徴は「オヨギデカミミズ」や「マッチョ虹色川ミミズ」などが属する(と思っている)フトミミズ科ではなく、シマミミズや飼育している「オレハチ(おそらくはカッショクツリミミズ)」が属するツリミミズ科らしきもの。

さっそくブラックライトを当ててみます。

光って入るのは体毛です。フトミミズ科とは明らかに異なる体毛の配列。

新しくなるスペースマウンテンはこんな感じか・・?

銀河鉄道の夜です。

蛍光発光の最後の写真はこの曲って輪のようになって入る部分です。

いやー、すごいミミズでした。

続けて出ました「オヨギデカミミズ」の幼体と思わしきミミズ。長さは10㎝ほど。

ツリミミズとはまるで違いますね。しまのように光っているのは全周に生えている体毛です。そして注目すべきは体毛以外の蛍光発光がほとんど見られないことです。

ちなみに「オヨギデカミミズ」の成体の蛍光発光はこんな感じ。

おそらくですが、蛍光発光が「オヨギデカミミズ」にとって役立つものだとすると、それは成体時のことなのではないかと考えています。

こいつももう少ししたら光り出すのでしょうか? 興味深いです。

最後に「マッチョ虹色川ミミズ」も観察することができました。

とにかく謎多き川ミミズの世界。日常のすぐ隣にある知られざる他者の世界。恐る恐るながら、もう少し観察を続けてみたいと思います。〈若林〉□

 

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