本日は曇りで時折の雨。すでに梅雨に入ったような空模様です。

肌寒く、暖房を入れたり消したり。風が強くなりトノサマガエルが鳴きやみました。

さて。いろいろと書きたいことはあるのですが、取り急ぎ、先週末の夜の川ミミズ観察について。

今回、川ミミズ以外にもちょっと(だいぶ)気持ち悪いと感じられる写真もありますので、苦手な方はここでクローズをお願いします・・。

いきなりですが・・死んだドジョウの頭をかじるミズムシ(オスがメスを抱っこしていますね)。暗くてよくわかりませんが、真ん中下方にはエビもいます。

それにしてもこの時期だけなのか?ミズムシのオスの脚がとても長く、人が着ぐるみを着ているかのよう。メスを抱いても歩けるように進化した結果なのでしょうか。

平水時の水深は10㎝ほどしかない二面護岸河川で魚は少ないのですが、その代わり、うようよした生き物はたくさんいます。こちらはプラナリアとも呼ばれるウズムシの仲間。右上に見えるのは死んだドジョウの口ですね。

このウズムシとヒルの仲間(ウマビル?)はこの川の掃除屋さんです。襲われているのはムカデです。

こちらはエビに群がるヒルとウズムシ。

ミミズの口にはヨコエビの仲間が群がっていました。

まだこのミミズは生きていました。おそらくエビもムカデもミミズもドジョウも、死ぬ間際の弱った状態になると彼ら掃除屋さんに食べ始められるのではないでしょうか?

アメリカザリガニもいました。

元気に寝ていたドジョウも。

そして出ました。川ミミズ。やや流れのある瀬にいました。

「オヨギデカミミズ」ではありません。「マッチョ虹色川ミミズ」にも似ていますが、それとも少し違う雰囲気。

蛍光発光はこんな感じ。うっすらです。

向きによってはうっすらと蛍光イエローが浮かびます。

光り方は「オヨギデカミミズ」の幼体ぐらい。でもこちらは成体で、種類も違うミミズのようです。

背中が暗色気味な印象。あと虹色のビカビカも目立ちました。

でも「マッチョ」とは違ってふにゃふにゃで、「オヨギデカミミズ」のように急に跳ね行動を取る事もなし・・。

それにしても「オヨギデカミミズ」は最近、あまり見ることがありません。思えば大水が出た日から見なくなったような気もします。流されてしまったのかどうなのか。

もう帰ろうかと思ったその時・・。

いました!

暗色系です。そして随所が虹色にビカビカと光っています。

先ほどのミミズとも雰囲気は似ておりました。

それにしても・・でかいな・・。

推定ですが、30㎝は超えている模様。尺イワナならぬ尺ミミズです・・。

背中側はこんな感じ。ほとんど蛍光発光はなしです。体毛のみ光っています。

ところがこのミミズ、おなか側は白っぽいツートーンカラーでした。

そしてUV照射しますと・・

腹側は「オヨギデカ」ほどではありませんが白っぽく光ります。でもイエローな感じはなし。

いや・・すごい絵面です。

尻尾のお腹側はこの通り真っ白け。セグロミミズ的なやつでしょうか? そして先ほどのミミズもそうでしたが、尻尾が自切したように途中で切れたようになっていました。

環帯には傷が入っていて老体のようにも見えましたが、動きは活発で元気でした。ただ、こちらも先ほどのミミズと同様、グネングネント激しく動く跳ね行動は見られず、しかも面白いことに、白色LEDにもUVにも動じず、光を嫌がるそぶりを見せませんでした。これも虹色に光ってますね。

それにしても、これまで目にしたことのなかったミミズ(だけ)が一夜にして2匹泳いでいるのは、ちょっとまたミステリアスですね。

そしてこの光り方はなんなのか?

先日見た、シマミミズのこの光り方も気になりました。シマミミズは黄色い液体を分泌することが知られていて釣りの餌では「キジ=黄血」などとも呼ばれますが、この液体は他の生物の血を溶かしたり精子を殺したりする毒素を含むことが明らかにされています。黄色い液体から分離したタンパク質は「ライセニン」と名付けられ、薬の元にもなっていきそうな(すでになっている?)物質だそうです。

川ミミズの蛍光発光は果たして、暗がりで出会う他生物への危険信号なのか? 同種とのコミュニケーションツールなのか? そして特別に黄色く輝く「オヨギデカミミズ」の蛍光発光の意味は・・?

謎に包まれた川ミミズ観察。毎日のように驚きがあります。〈若林〉□

 

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