今日も雨。気温は低めで暖房をつけています。 シトシト降る梅雨のような雨です。 週末、1週間ぶりに飼っている川ミミズのケースを確認しました。 何度もご紹介していますがこんな感じ。水場が安定するようにビニール片を入れていることと、ケースの壁に一部を水に浸した腐葉を重ねて貼り付けているところがポイントです。このようにすると、葉と葉の間にミミズたちは落ち着きます。子どもの頃、「おかしの家」を夢見た人も多いかと思いますが、まさにそれですね。棲家がそのまま食べ物になっています。 重なった葉を剥がすと、こんな感じに川ミミズの幼体が現れます。ちなみに左側の剥がした葉っぱにはさらに小さな、全長4㎜ほど?の細い細いミミズがいます。彼らがどのようにこのケースにやってきたのかは定かではありませんが、おそらくは餌として採取した腐葉にくっついていたのでしょう。小さなボウフラもまたしかり。 ケースの壁を透かすとこんな感じ。完全にクリアなアクリルケースなどで飼育すればもっとクリアに観察できると思いますので、いずれトライしてみたいと思っています。 ちなみにミミズは葉の葉脈の主軸の上側に沿っておさまっています。周囲が黒くなっているのはミミズが食べて出したフンですね。 もう少し育ったやつはこんな感じ。3㎝ほどでしょうか。太さはまだ1㎜ほどです。 左側が頭の一部を出した状態。右側にも小さな小さな細いミミズがいます。 幼体はこのように白っぽく透明です。半年ぐらいすると、少しずつ色づいてきます。 餌としている腐葉はケヤキ、エノキ、シデ類といったところ。ケヤキが大好きですね。 もりもり食べてます。 こちらが親ミミズ。長さは5㎝以上と言ったところでしょうか。ある程度成長すると、長さよりも太さが増してきます。そして色づいてきます。私が野外で観察している「オレンジハチマキ川ミミズ」と呼んでいるミミズにそっくり。ちなみに「オレンジハチマキ川ミミズ」はカッショクツリミミズというミミズかと思うのですが、野外にはこいつ以外にもオレンジ色のハチマキを持つツリミミズの仲間がいるような気がしています。同定はなかなか難しいです。 最も成長した子ミミズと親ミミズの2ショット。太さと色の違いがわかります。 水を換えて、葉を新しくケースの壁に貼り付けていきます。 全くいじらなくてもいいとは思うのですが、こうしておくと、1週間の間にどれぐらい食べたかを知ることができます。今度、定点観測的な写真を撮影してみたいと思います。
さて。 前置きがとても長くなってしまいましたが、野外で観察している大型川ミミズ「オヨギデカミミズ」の同定の試みについて。 前回、【川ミミズ同定の道程①】でハチマキ下部にある「雄性孔」という分類に役立つ器官を撮影しようとした写真を載せました。結局、目立った雄性孔は確認できなかったのですが、詳しい方から「写真(一部)は背中側なのでは?」とご指摘をいただきました。 実はなかなか背中とお腹の区別も難しいのです。目安となるのはハチマキ部にあるであろう雌性孔となりますが、これもあまりよくわかりません。 こればかりは観察が主に夜ということもあり、慣れるまでなかなか上手くいかないものなのかもしれませんが、もう少しトライしてみたいと思います。 ところで、今回の「オヨギデカミミズ」同定プロジェクトは、基本的に名著『ミミズ図鑑』を元に行おうと考えています。 ちなみに『ミミズ図鑑』にはフトミミズ科のミミズが51種も掲載されています。ですが実は日本に生息するフトミミズ科のミミズは500種!以上に達すると推定されていまして、掲載されているのは1割にも満たないとのこと・・。 おそるべし・・。 ですが今回の同定プロジェクトは、きっかけとなった「ノラクラミミズではないか?」とのアドバイスから、ノラクラミミズとの見込みからスタートさせています。 そう思えし理由の一つは大きさです。 「オヨギデカミミズ」はその名の通り、デカいのです。大きなものでは25㎝以上あります。ノラクラミミズは150〜250㎜とされており、矛盾はなさそうです。 前置きはここまでにして(長い!)・・ 今回は『ミミズ図鑑』掲載のフトミミズ科のうち、200㎜以上になると記載されているミミズを紹介しておきます。 ・ヒトツモンミミズ(90〜250㎜) ・フトスジミミズ(90〜200㎜) ・シーボルトミミズ(240〜400㎜) ・ホソスジミミズ(110〜200㎜) ・セグロミミズ(90〜220㎜) ・ヘンイセイミミズ(90〜250㎜) ・カッショクフトミミズ(130〜230㎜) ・イイヅカミミズ(250〜450㎜) ・ノラクラミミズ(150〜250㎜) ・ヨコハラトガリミミズ(175〜260㎜) ・フタツボシミミズ(190〜260㎜) ・タカオミミズ(200〜350㎜) ・オオフサミミズ(200〜350㎜) ・ハガネミミズ(150〜200㎜) ・イマジマミミズ(210〜260㎜) ・ヤンバルオオフトミミズ(210〜450㎜) ・アカシマフトミミズ(170〜270㎜) ・・以上です(多い!) 図鑑の中に出てくるものだとすると以上の17種に絞られたというわけですね。 ちなみにこの17種には、見た目で明らかに違う!というものもいますので、次はそれを除いていく作業に移っていきたいと思いますが・・。 あまりに長くなりすぎましたので、また次回にでも・・。 ちょっとした仕事感が出てきました・・〈若林〉□
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