今日はとても暑い一日。そろそろ事務所の冷房が効かなくなってくる時間帯です。暑い日は地面の底から暑いんですよね。

さて。

昨晩も少しだけ川を覗いてきました。

このところ気になっている「マッチョ虹色川ミミズ」の這い出し観察です。

陸生のミミズは特に夏の夜、なんらかの条件がきっかけとなって、暮らしている土中から這い出してくる行動が知られています。きっかけは月齢や降雨など様々な要因が考えられていますが、地面を濡らす雨は、単純にミミズの行動を許すという意味合いも多くあるような気がしています。つまりミミズは乾燥をとても嫌うため、乾燥の危険性の少ない降雨時に移動するということと、地面が濡れていることで進みやすいこともあるかと思います。

一方、流れの川底に暮らす川ミミズも這い出し行動を行います。これはほぼ、間違いないことだと私は信じています。這い出し行動の意味はわかりませんが、陸地とは異なり水中のことですから「乾燥」とは無縁です。

陸生のミミズが這い出す理由も明らかにはされていませんが、流れに暮らす川ミミズの這い出しの理由もナゾに包まれています。

なんとなく・・ですが、川ミミズの場合、這い出しの理由を知ることができれば、川底に暮らしている理由もおぼろげながら見えてくるのではないか・・。そんなことを考えています。

さて。まずは川ミミズ以外の生きものたちから。

ウキゴリ(スミウキゴリかも)。これは9㎝ほどでしょうか。ふっくらした大型です。川ミミズは食べているだろうなーと踏んでいます。

こちらは卵をお腹に抱いたメスでしょうか。ヨシノボリはオスが石の裏などを占有してそこにメスをおびき寄せて卵を産ませ、卵はオスが守るという習性を持っています。婚姻色の出たオスが卵を守っているような姿がこのところしばしば見られますので、そういう時期なのでしょう。

羽化したばかりのヒゲナガカワトビケラ。春からずっと羽化は続いているようです。この日も水面をスーッと走る姿が多々見受けられました。

そしてアメリカザリガニ。大型から小型までたくさんいます。ミミズを食べていたりもするのでしょうか。

そして弱ったミミズを食べるウズムシ(プラナリア)の仲間。別の川では水性のヒルやエビ、ミズムシ、ヨコエビなども食事に加わります。

そして護岸の矢板沿いにいた「マッチョ虹色川ミミズ」。川底にいましたが、光を当てたらスルスルと護岸を這い上って行きました。

矢板に着いている藻類にはさらに小さなミミズも。

そしてこの日は、上流から一度下流に下り。そこからじっくりゆっくりと観察してみました。川底を這う川ミミズはなかなか肉眼で見つけることは難しいことがわかってきたためです。箱メガネを用意すればもう少し見つけやすくもなりますが、まだそこまでは至らず・・。

こんなところです。確実なところでは10㎝前後の「マッチョ虹色川ミミズ」が4匹は這い出していました(写真では同じやつを複数回写しているかもしれません)。

わかってきたのは、以外にも流れの早いところを這っていること。また逆に流れが緩やかで有機物が砂の上に積もっているようなところでも這っている姿を観察できることです。

どこから這い出して、どこへ向かっているのかはわかりません。今後の課題です。

あとはなんらかのタイミングで目立って多くの数が這い出す・・なんてこともあるのかもしれません。

いずれにせよ、陸地からなんらかの理由で川の中に入ってきたものとは一線を画す「川の中で暮らしている川ミミズ(※おそらくは陸生ミミズ)」の存在は、私の中でほぼ確かなものとして固まってきています。

川ミミズはとても興味深い生きものです。〈若林〉◻︎

 

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