今日は日本列島の南に低気圧があり、湿った南風が吹き込んでくるため各地で大雨がザッと降る天気です。 あいも変わらず事務所で仕事して、川でミミズを掘って、家でご飯を食べて眠る日々。 週末は家で飼っている川ミミズの健康状態を確認しました。 そーっとケースを出すと・・ よかった・・。ケースに腐葉が張り付いたままです。そして土のこびりついたように見えるのはミミズたちのフンとなります。ちゃんと食べている証拠です。 何か環境が好ましくないと、サイドに貼り付けた葉っぱが全てケースの中に落ち、ミミズの多くはケースの蓋の隙間に張り付き喘いでいるような姿を見せます。そんな時は何匹かは死んでいたりもします。ツルツルのポリエステルの透明なケースに移し替えたのが原因かと思ったのですが、元に戻しても一度ありましたから、ケースだけが原因ではなさそうです。 このところ、昨年の秋に落ちた葉っぱがだんだんと少なくなってきていたんです。半分腐りかけている葉っぱが望ましいのですが、いい感じの葉がだんだんと少なくなってくるんです。つまり柔らかくて分解されやすい葉はだいぶ食べられてしまい、逆にいつまでも残っている葉はおそらく利用しづらいのでしょう。そんなわけで丁度いい感じの葉っぱを探していましたら、沢沿いに立つ一本のケヤキの根元にいい感じの落ち葉だまりを見つけまして、それを入れてみたら、どうやら気に入ってくれたようです。 こちら昨年の1月から、卵胞から飼っている親ミミズ。長さは6㎝ほど。ツリミミズの仲間です。おそらくは私が「オレンジハチマキ川ミミズ」と呼んでいるやつ。この親が前回開けた時には餌を食べていないようでだいぶ痩せてしまっていたのですが、なんだか健康状態が良くなっていました。 幼体も数は減りましたが、元気なものは元気です。写真の葉っぱはおそらくケヤキの葉。柔らかくて好きみたいですね。 新鮮な湧き水に交換して葉っぱをケースの壁に貼り付けて、一安心。ツリミミズ科はフトミミズ科に比べて北方に生息しているミミズたちですから、夏場の暑さには弱いってこともあるのかもしれませんね。いまいち適水温もわからないままですが・・。 さて。 次は野外の朝方の観察について。 このところフトミミズ科の「マッチョ虹色川ミミズ」と「オジロ川ミミズ」そして「細マッチョ川ミミズ」、さらにツリミミズ科の「オレハチ」と、さらに大きく青白っぽい奴がいる、段丘崖に接した川を観察しています。湧き水が多いためか水温は冷ためです(アバウト・・)。 こちらはおそらく、コイがスパスパやった痕跡。川ミミズやウズムシ、ヒゲナガカワトビケラの幼虫などを食べているのだろうと予測しています。 比較的流れのある砂割合の多い川底の石を避けてみると・・。 いました。これは10㎝ほどのツリミミズです。尻尾だけ砂の上に出して、上半身?は砂の中に潜っています。いる場所が絞り込めてくると、そっと川底の石を取り除いていくだけで観察できるようになります。荒っぽく掘ってしまうのと比べて、彼らの生活のヒントを知ることができます。 尻尾をゆらゆらと。 結局、掘り出してしまいました。こんな感じ。美しいですね。 ツリミミズはフトミミズに比べて伸縮性が大きく、ヒルっぽく感じる時があります。 同じツリミミズ科の「オレハチ」がいました。長さは5㎝ほどでしょうか。自宅で飼っているのはこいつだと踏んでいるのですが、果たして・・。 そして「細マッチョ」も。 こいつもいる場所がだいぶ絞れてきました。美しいミミズです。 これは「マッチョ虹色」だったかな? これら全て、石の下の砂の中で見つけたものです。 このように日中の明るいうちは、ほとんど川底の表面で姿を見ることはできません。 言い換えると、稀に見ることはできます。 これまで4匹確認。ただ、それらが果たして、どのような行動なのかは謎のままです。 気になっているのは「具合が悪くて出てきてしまっている」状態です。なんとなくですが、朝方に川底で観察する川ミミズは、肌艶が悪いようにも思えるんですね。そしてそのうちの一匹は、なんと観察中にウズムシに襲われて食べられてしまいました(前回のブログを見てください)。 一方、ミミズは夜行性ですから、夜の方が活動的なんですね。そして夜の方が、朝方よりも川底の表面に這い出しているミミズを多く観察することができます。 これは「オジロ川ミミズ」。夜の這い出しです。何をしているのか観察したいのですが、ライトを当ててしまった時点で驚かしてしまっているため、なかなか観察は容易ではありません。 また夜は魚たちも出てきます。こちらはカワヨシノボリのメス。 カワヨシノボリのオス。婚姻色がとてもきれいです。 風格抜群の大型ウキゴリ。 カワヨシノボリメス。 ウキゴリの子供? おでこだけ変色していたアメリカザリガニ。 もういっちょ、ウキゴリ。 こんな感じです。 面白いのはちゃんと数えているわけではありませんが、日によって魚がたくさんいる時があったり、ミミズの這い出しが比較的多めのことがあったりすることです。 多めといっても最高でこれまで一晩に7匹です。 0匹の日も普通にあります。 1匹見れれば満足、ぐらいの感覚です。 昨晩は少し多めに観察することができました。 まずは「オジロ川ミミズ」。 尾白というか、全体が白っぽいんですよね。 そして「マッチョ虹色川ミミズ」も。 ウズムシも夜になるとたくさん出てきます。接触しそうでドキドキでした。 こちらは結構流れの強いところにいた「マッチョ」。頭を突っ込んでいるその先を見てみた買った。 こちらも「マッチョ」。 結局、この日は「オジロ川ミミズ」1匹と、「マッチョ虹色川ミミズ」が少なくても3匹といったところでした。 この夜に観察した這い出しミミズはいずれもなかなか元気いっぱいでした。 それでも水中にいるやつの方が、健康的には見えます。 もしかすると、窮屈になって追い出されたやつなのかな・・なんてことも思った次第。 いったい彼らはどこから出てきて、何をして、どこに帰っていくのでしょう。 瞬間のワンシーンを重ねているだけの観察者には、なかなか解けない難問なのかもしれません。〈若林〉□
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