今日は青空。朝から車の温度計は30℃を示しています。

とても暑い一日です。

さて、少しだけ仕事前に涼しい川へと向かいます。

何者かに食べられていた大型のアメリカザリガニ。

ハシボソガラスあたりでしょうか・・。

 

私の観察目的は、このところ気になって観察を重ねている川ミミズの這い出しです。

ヒトツモンミミズの泳ぎだしとはまたちょっと違うものではないかとの印象を抱いています。

簡潔に言いますと、ヒトツモンは陸地から何らかの理由で川に移動している状態。対してこの川の「マッチョ虹色川ミミズ」や、「マッチョ」には似てますが一回り小型の川ミミズによる這い出しは、あくまでも流れの中の川底に暮らしている一環としての這い出しなのではないかと、そんなことを思っています。

今のところ夜の方が多く観察できていますが、朝方にもポツポツと見ることができます。

ただ、不思議なことに、いてもいつも一匹だけなんですよね。なんでだろ・・。

さて。今日も一匹だけ、出会うことができました。

長さは6㎝くらい。爪楊枝よりも少し太いぐらいの幼体もしくは亜成体です。しばしば観察できる流れの緩やかな「溜まり」の環境(流れはわずかにあります)。

こんなところです。水深は15㎝ちょっと。50㎝も鉄製の矢板から離れれば、もう結構の流れが効いている場所です。

川底をスイスイと進みながら、何かを探しているかのしぐさ。

草木の細かなチップやシジミの殻などが積もっているところを縫うように進んでいきます。

川底の中に潜っているやつに比べると肌艶は足りないようにも感じますが、健康状態も悪くはなさそう。少なくても明らかに異常をきたしたしているという感じではありません。

そして珪藻などの生えた石にたどり着くと、食むようなしぐさ。

そして石の下へも。ヒゲナガカワトビケラの捕獲網の切れ端もあるようなところでモグモグタイム?

石の裏の何を食べているのか、いないのか。モグモグ・・。

しばらくモグモグした後に出てきました。

はぁ〜、やっぱり這い出しは捕食のためなのかもしれない・・という思いを強くした観察例となりました。

ただ、同時にやはり気になるのは、なかなかの無防備であるということ。朝なので小さなヨシノボリがいるぐらいで、大型のウキゴリやヒガシシマドジョウの姿はありませんでしたが、すぐ横では50㎝ほどのコイがスパスパやっています。そんなのんびり食べていていいのかなーというのが正直な感想です。

そんな観察を続けていた時のことです。結構まあまあ驚くべき事件が起きました。

モグモグタイムの観察を続けていると、ミミズが急にビクッと跳ね上がるようなそぶりを見せたんですね。

動画を撮っていた最中でしたから、後で見てみますと・・例によってピンボケ(汗)。ただ、おぼろげに理由がわかりました。

ミミズがある動物と接触する瞬間の写真です。

見づらくてすみません。赤く囲った部分。

わかりますでしょうか?(わかりませんね)

これは別の川の写真となりますが、ウズムシ(プラナリア)です。

耳のような尖った角のような部分があるこいつは、外来種のアメリカツノウズムシかと思われます。

大きいもので長さ2㎝ほど。右上に見えているのはドジョウの死骸です。

これはセスジビルとともにムカデの死骸にまとわりつくウズムシ。このように死骸に集まる掃除屋さん的な存在と認識していたのですが・・。

モグモグしているミミズの頭部が偶然?なのか、ウズムシに接触した途端、ミミズが激しくグネングネント暴れ始めたのです。

わかりづらい画像ですみません。

ウズムシと接触したところで地面と接着されたようになり、しばらく頭が固定されたまま暴れていましたが、なんとかスポッと抜くことができました。ウズムシにかじられたのか・・?

そしてしばらくすると、またしても・・

頭が岩に固定されたまま、またしても暴れ出すミミズ。

興奮状態にあるのか体の前の方が真っ赤になっていました。

暴れて位置が変わった瞬間、ミミズの頭のあたりに何かがくっついているのが見えます。

ウズムシです!

ミミズは暴れますが、ウズムシにへばり付かれて、地面にも固定されている感じ。

体をグネングネンと激しくよじります。そしてスポッと頭を抜くことができました。

またしてもウズムシに襲われていたのか・・?

そしてあぶねあぶね・・とでもいうようにその場から去ろうとするミミズ。

さっきのウズムシがミミズの尻尾の脇あたりにいます。

なんだか一気に弱ってしまったような印象。もしかしたら見えないだけで小さなウズムシがまだ頭部についていたのかもしれません。もしかすると口から体内に入っていたのかも・・ヒェ。

そしてまた別の石にたどり着いた時に、またしても激しくミミズが動きました。

振り上げた頭には、見づらいのですが、ウズムシが付いています!

必死に頭を振って抵抗するミミズ。するとなんと、別の場所からやってきたウズムシがミミズの体の中央あたりにやってきました。

明らかにミミズの体を狙っています。そして・・。

下に潜り込み・・

襲いかかる!

ミミズの動きに合わせて頭を向けていきます。

執拗に狙います。頭部も襲われている状態。ミミズが出したのか、粘液がゴミを拾って見づらくなっています。

イッタンモメンのように鎌首を上げます。

ミミズも逃げたいのですが、頭の方でいっぱいいっぱいなのでしょう・・。

どうにもうまくいかないとなり、今度は近くの巻貝に向かいます。

巻貝の上に乗っかって、鎌首を上げて襲いかかります。

そして・・

吸い付いいた!?

ビクッ!とミミズが素早く反応。暴れまくります。

なんと、後方からもう一匹!

ずっと襲いかかっていたウズムシは振りほどいたように見えました。ところがその間に・・。

なんと別のウズムシに後方をロックされてしまったのです。そして頭の方もロックされてしまいました・・。

完全に動きを止められてしまったミミズ。ついさっきまでモグモグタイムしてたのに・・。

そして頭部近くのウズムシは、ミミズと同じく赤くなっていきました。血を吸っているのでしょうか・・。

頭部の方。次から次にやってきます。まるでピラニアです。

おそらく・・ですが、一度吸い付かれたか、かじられた時点でその匂いを嗅いで(もしくは仲間を呼ぶための匂い信号を発する?)集まってくるのではないでしょうか。

なんだかすごいでかいやつも・・。

どんどんきます・・。

コウガイビルに食べられたミミズを見たときは、絶対にこんな食べられ方は嫌だと思いましたが、ウズムシに襲われるのも絶対に嫌ですね・・。

でかいウズムシ、迫る(ちなみにこいつは10㎝以上離れたところからぐんぐん寄ってきました)。

そして動けないミミズの体の下に潜り込み・・

イッタンモメンのように、コウガイビルのように、ぐるぐると締め上げていったのです・・。

もうこうなると、完全にミミズはダメですね・・。

ガッチリと固定され・・。

10分後ぐらいには、ほとんど食べられてしまいました・・。

やはり這い出してのモグモグタイムはお気楽ではありませんでした。命がけでした。

その現実を垣間見た貴重な観察となりました。〈若林〉□

 

【お知らせ】川辺の自然観察をまとめた一冊、『武蔵野発 川っぷち生きもの観察記』発売中です!(アマゾンの販売ページはこちら

★RIVER-WALK Vol.1~Vol.3発売中です!★