涼しいですね。昨晩は久々にクーラーなしで眠ることができました。

暑くても涼しくても川ミミズの話を少し。

少し前になりますが、旅先のこんな川もしくは水路でちょっと川ミミズを探してみました。

水際の石をどかすと、ミミズが掘ったと思わしき坑道を発見!

少し探すとおりました。

ミミズ・・?と思いきや、足があります。ゴカイの仲間でしょうか。

ゴカイなどは、この細かい足がたくさんある見た目から「多毛類」と呼ばれています。対してミミズはこの毛(足)がありませんので「貧毛類」とも呼ばれています。ゴカイとミミズはそもそも大きくは同じ「環形動物」に含まれる生き物です。環形動物の多くはゴカイなど海中にいる多毛類だそうで、ミミズたち「貧毛類」は、環形動物の中でも陸地に進出した異端な存在なのだそうです。

そして最近はミミズたち「貧毛類」を含むもう少し大きなグループのことを「環帯類」と呼んでいるそうです。ミミズにもある環帯、つまりハチマキを持っている仲間ですね。

そしてこの中にはヒルも含まれるのだそう。

ざっくり言うと、ゴカイなどの多くは海の水中に棲んでいる仲間の多い環形動物の中で、陸地に出てきたミミズを含む小さなグループがいて、さらにそのミミズを含むグループの中に、ヒルのグループが含まれていると・・。ややこしいですね。

ちなみにヒルにも環帯はあります。これは結構でかいやつ。

ヒルって伸縮性がものすごいんですよね・・。

私の好きなオレハチ「オレンジハチマキ川ミミズ」はヒルっぽいミミズです。

平べったくて短くなったと思ったら、グイーンと長く伸びたりもします。

美しきミミズです。

ともあれ。

考えているのは、海中(水中)から陸地の地中や表層にまで進出してきた環形動物であるミミズとは、どのような奴らなのだろう?と言うことです。単純に考えると、乾燥には強くなったのではないだろうかと。地中性の種でも穴から這い出して移動とかもしますし、表層性種のヒトツモンミミズなどは、ほとんど夜は空気中に姿を晒してのんびりしていたりもします。

では、陸地に進出したミミズの中で、川ミミズとは一体、どのような存在なのだろうと・・。

ゴカイなんかに近いやつらなのか・・

それとも一度は土中での生活を獲得した上で、改めて水中へと適応していったのか・・

そしてもうひとつ、例えば私が川ミミズの中の川ミミズだと思っている「マッチョ虹色川ミミズ」は川の流れの川底の地中で暮らしている姿を日頃から観察していますが、陸地にもいるっちゃいるわけです。

例えばこんな感じに土に坑道を作っている姿も観察しています。

中にいたミミズはこいつです。何れにせよ、川(湧水場)のほとんど水中に近いような場所ではありましたが、他にも「マッチョ虹色」に似たようなミミズは、例えば畑や庭の土の中からも見つけています。

ですが、ここで大きな問題は「それらが同じミミズかどうかもわかっていない」ということです。私が「マッチョ虹色川ミミズ」と呼んでいるミミズの中にはヘンイセイミミズというミミズが含まれているような気がしていますが、色合いにもパターンがいくつもあったり、大きさも様々だったりしますので、きっと数種類を混同しているのだと思います。

これも私の中では「マッチョ虹色川ミミズ」。

これも・・

これも・・。

ひとつ共通する特徴は太さに比べて長い。ヒトツモンミミズなどと比べると、体型が随分と細長いのです。あとは比較的節張っていて、体毛以外に蛍光発光はほとんど見られないことなどです。

マッチョと思わしきミミズの蛍光発光。

尻尾。

アメージングです。

 

さて・・。

またとりとめなくなってしまいました。何を話しているのか途中で分からなくなる人は結構いるかと思いますが、何を書いていたのか分からなくなってしまうのが、つかみどころのない川ミミズの魅力ですね。

そうそう。アシナシイモリです(突然)。

ゴカイなどの多毛類とともに気になっているのが、アシナシイモリなのです。

アシナシイモリはカエルやサンショウウオ、イモリなどと同じ両生類ですが、見た目がほとんどミミズなのです。目が退化して手足もありません。地中の暮らしに適応した結果と言われていて、この点でもミミズと同じ進化の道筋を辿ってきた気がします。熱帯各地に生息しています。日本にはいません。

そしてこのアシナシイモリの中には、水棲の仲間がいるのです。

川ミミズならぬ川アシナシイモリ!

それがまた、ウナギのような姿なのです。

アシナシイモリも、水棲アシナシイモリもユーチューブなどで見ることができますので、ご覧になってみてください。

気になるのは、多くのアシナシイモリが地中で生活するのに対し、水の中で暮らす奴らもいる、ということです。ここら辺もミミズと似ているではありませんか。

ちなみに北米などにはAquatic earthwormと呼ばれる水棲の大型ミミズがいるそうです。

その中のSparganophilus tamesisなどその一部は、水中では見つかるけど、陸地にはいないそうです。私が観察している川ミミズは今のところ水中にも陸地にもいるという認識ですが、スパルガノフィラス・タメシスは川底や大型水生植物の根の中に棲んでいるそうです。

実はこのスパルガノフィラス・タメシスこそ、めちゃくちゃ気になっているのですが、その前にまずはゴカイとアシナシイモリについても勉強してみたいと思っています。

まとまりない長文、失礼しましたー。〈若林〉

 

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