このところ、自宅で飼っている川ミミズの餌集めにやや苦労しています。

結構、これまでは適当にケヤキだかエノキだか、それっぽい落葉の腐食しかけているような葉っぱを与えていたのですが、5㎝以上に成長した親ミミズに加え、おそらく10匹ほどはいる子ミミズたちも、少しずつ成長してきていますので、すぐ食べられるところがなくなってしまうようなのです。

こんな感じにして飼っています。大切な点は、餌となる腐食しかけた落葉を、ケースの側面に、一部水に浸けた状態で張り付けておくことです。こうすることによって毛細管現象によって、張り付けた葉は常に湿った状態となり、ミミズはその葉を食べながら、葉とケースの隙間や、葉と葉の隙間を棲家として暮らしているようなのです。

一度は観察しやすいようにと、ツルツルで透明な素材のケースにしたこともあるのですが、すぐに葉が水の中に滑り落ちてしまうようで、やめました。

というわけで、やや見づらいケースではありますが、このような感じにミミズは暮らしています。

葉っぱを剥がした状態。

ミミズたちは、この赤茶色い葉っぱが大好きなんですよね。

でも、この葉っぱが、ほとんどなくなってきてしまったのです。

沢に行くと、葉っぱはたくさんあります。水際の湿ったところを探しているのですが、一年もミミズの餌探しで葉っぱ拾いをしていると、種類によって、すぐに葉脈ばかりになってしまうものと、いつまでたってもほとんど無傷のままの葉っぱもあることに気づきました。地面に落ちた落葉は、ミミズやダンゴムシやヤスデなどの土壌動物が分解しているのだと思いますが、その速度が葉っぱによって違うのです。

我が家の川ミミズたちが好んで食べる赤茶色の葉っぱは、春先からずっと採取に困ることはありませんでしたが、ここにきて、残っているものは分解が進み、食べられるところが減ってきてしまったのです。

こんな感じに、ケースの蓋の上で、選別していきます。上質なお茶の葉を選り分ける作業のような感じ?です。

するとなんと! 直径、2.5㎜ほどの、我が家で飼っているミミズのものよりは明らかに大きい、卵胞を見つけました。形もレモン型ではなく、普通のみかんのように横に膨らんでいます。

一瞬だけ、持ち帰って孵してみたい欲求にかられましたが、すぐに今だって手一杯なことを思い出しました・・。

こんな感じに、ほとんど分解されずに残されている葉っぱはダメなんですよね。ケースに入れても、やはりそのまま、変わらず残っています。

餌に向いているのは、こんなやつです。やはり美味しいからなのか?ほとんど葉脈ばかりにされてしまっています。先の方に少し美味しそうな部分が残っているので、こんなのを与えています。

もう少し、可食部が残っている葉も見つけました・・が、やはりだいぶ少なくなってしまっていました。

貴重な状態の葉っぱです。これまであまり調べたこともなかったのですが、改めてネットなどで見比べてみたところ、おそらくこれはムクノキなのではないか?と予測しています。沢でこの葉を拾っている近くに立っている木は、おそらくムクノキなのではないだろうかと・・。

これは同じところで拾った、おそらくはケヤキ(右)とエノキ(左)。これらの葉っぱも好きなのですが、ケヤキなんかは、ほとんどなくなってしまったのではないかと・・。

やぶ蚊の猛攻にあいながらも結構、頑張りましたが、これぐらいしか手にすることはできませんでした。

新たに落葉が供給されるのは秋から冬。それがいい具合に腐食しはじめるのが春だとすると、もう少し正確さを高めてピンポイントでムクノキを探し、新しい餌場を確保しなければならないような気もしてきました。

まあ、これはこれで楽しいんですけどね。〈若林〉□

 

【お知らせ】川辺の自然観察をまとめた一冊、『武蔵野発 川っぷち生きもの観察記』発売中です!(アマゾンの販売ページはこちら

★RIVER-WALK Vol.1~Vol.3発売中です!★