穏やかな昨日とは打って変わって北西風の冷たい一日。 本日も事務所にて海釣り雑誌『ソルトウォーター』の作業大詰め中・・なのでありますが。
ありますが・・。
昨日、【海の岩魚たち】というブログを書いて、海釣りの世界で「ロックフィッシュ(岩・魚)」と呼ばれるソイやハタを紹介しつつ、実はもうひとつの海の岩魚であるアメマスのことを想っていたんですね。 なぜかというと、ちょうどこれから年末年始にかけての季節、北海道の島牧村に、ここ数年、アメマス釣りに行っていたからなんです(仕事です・・でもあります)。 島牧村といえば、冬の海で釣るアメマスの聖地などとも言われてまして。 こんな風景での釣りが楽しめてしまうのです。 正直、我が地元の埼玉県からだと9時間ぐらいかかります。 そして正直なところ、メチャクチャ寒い! ですが、その遠さと寒さがこのうえなく魅力的なんですね・・。
白銀の世界。 一本の杭になる極寒の恍惚。
残念ながら私、今シーズンはどうにも行けそうにないのですが・・12月1日から毎年恒例の島牧村主催「あめますダービー」も開催されていますので、興味のある人はぜひ!挑戦してみてください。
アメマスとは、こんな魚です。 白っぽい体に大きな白点が特徴。 お腹側は白く、 背中側は青っぽい。 サバなんかと似た配色ですね。 背中→青 お腹→白 実はこの配色、海の魚に共通した配色なんです。 サバ、アジ、イワシ・・ 特に表層~中層を泳ぎ回る魚に多いこの配色。 天敵となる鳥からは青い海に同化して身をくらますことができるし、海中から見上げる大型魚からは白い空に同化して身をくらますことができるという、言わば「保護色」としての役割を持っている、というわけなんです。 海にいる岩魚であるアメマスも、その例にならっていると考えられます。
でもアメマスが面白いのは海だけじゃなくて川にもいるってことなんです。
で、川にいるアメマスがこちら。 ニッコウイワナです(奥秩父)。 これと・・ これ。 同じ種類だとされているんです。
見た目はぜんぜん違いますよね。 ここらへんが岩魚のとても面白いところです。
ちなみに、海にいる岩魚(アメマス)も、そもそも生まれは川です。 川から降り、海でたくさん栄養をとって大型化するんです。 70㎝を超えるようなやつもいます。 そして卵を産むときには、また川に戻ってきます。
こちらも70㎝ぐらいありました。 色も川にふさわしい(?)カンジになってますね(道東の川)。
魚の一生を「生活史」と呼ぶのですが、岩魚の場合、同一種の中でもこの生活史は大きく異なり、その違いが見た目の大きな差にもなっていると。 いや~、岩魚ってホントに面白いですね・・。
最後に少しだけ整理しておきたいことがあります。 それはイワナの呼び方について。 一般的には川にいる岩魚は「イワナ」、海にいる岩魚は「アメマス」と呼ばれることが多いと思います。 が、北海道や東北では川にいる岩魚も「アメマス」と呼んだりしています。白い点の大きいやつは川にいても「アメマス」と呼ばれることが結構あるように思います。 そのほか「エゾイワナ」「ニッコウイワナ」「ヤマトイワナ」「ゴギ」と・・・。学問の世界では同一種にされている岩魚には、体色や地域によって、さまざまな名前が付けられています。これに方言まで加えていくとえらいことになります。 ただ、学問の世界ではそうそう混乱があってはならないので「標準和名」という正式名称が1種につきひとつずつ、名づけられてます。 「イワナ」「標準和名」でネット検索をして最初に出てきた北海道区水産研究所のHPによると岩魚の標準和名は「イワナ」だそうです。じゃ山女魚は「ヤマメ」か?・・と思いきや「サクラマス」だそうです。
う~む・・。□
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