8月も最後の日になってしまいました。 9月になると、一気に秋めいてきますよね。年末に向かって下り行く季節はとても好きなのですが、一方で日照時間が短くなる寂しさもあります。 そんな一日の仕事終わりに、(私にとって)癒しの川ミミズブログをアップしたいと思います。 昨年の1月から飼育している川ミミズ。ケースにはこのように餌となり住みかともなる落ち葉を貼り付けています。 こんな感じに、一部を水につけて貼り付けておくと、ケースの壁と葉っぱの隙間がちょうど良いミミズたちの住みかになります。 こんな感じ。 こちらは今年生まれの幼体。まだ体が透明です。長さは2㎝ぐらいでしょうか。 こちらはオトナの川ミミズ。・・だと思うのですが・・。 最盛期はこんな感じにオレンジ色の環帯が出ていましたが、今はほっそりとして環帯も目立たなくなってしまいました。すでに1年と7ヶ月生きていますが、そろそろ寿命なのかもしれません。もしかすると、すでにこの親ミミズは死んでしまっていて、上の写真のほっそりとしたミミズは成長した幼体なのかもしれません。たぶんそうではないと思うのですが、すべてを晒してみているわけではないので、なかなかわからない部分も多いのです。 さて。今日は餌となる落葉について。左はおそらくムクノキ、右はケヤキでしょう。以前のブログで左の葉をエノキと紹介しましたが、エノキとムクノキは結構似ているんですよね。でもムクノキかなーと思っています。 そう、このところ川ミミズの餌探しに苦労していたのですが、ミミズの好物がムクノキであることに気づいて、俄然、狙いが定めやすくなりました。 こちら、近所の沢にあるムクノキです(ですよね?)。 葉はまだ緑。落葉の季節はもう少し先です。 一方、こちらは別の川ですが、ソメイヨシノの葉はすでに落ち始めています。 このように、同じ落葉広葉樹でも、葉の落ちるタイミングは少しずつ変わってきます。代表的なところで言えば、桜→ケヤキ→イチョウといった感じに。 そして地面に落ちた葉っぱは少しずつ土壌動物や微生物に分解されたり、化学的に変質したりして、土に帰ってゆくのだそうです。 先ほどのこちら。これは今年の5月に拾った葉っぱですが、このように少しずつすけすけになっていって、最終的には葉脈ばかりになってしまいます。 そして葉の種類によって、分解の速度は違います。 クヌギやコナラなどは、葉に厚みがあって丈夫で、なかなか分解されずに残っています。ケヤキはどうやら早いみたいです。 川ミミズはケヤキも大好きです。なので冬から春にはケヤキばかりあげていたんですね。その前の秋に落ちた葉が、ちょうど良い感じに腐りかけていて、それが良いミミズの餌になるためです。 薄くて柔らかいのでケースの壁にも張り付きやすいんですよね。 ところが夏になるあたりで困ったことが起きました。 私の探している沢では、ケヤキの葉がほとんどなくなってしまったんです。 きっと、分解が進みすぎてしまったのだと思います。 このように前の年の落葉はたくさんあるのですが、餌になりそうなケヤキはほとんどなくなってしまったんです。 しばらくの間は、がさっと土ごととって、その中から行けそうな状態の葉を拾い集めていましたが、なかなか集まりません。 それが最近になって、どうやらムクノキの前年の落葉が、ケヤキに続いていい感じになっていることに気づいたのです。 木がわかれば、ピンポイントに探すことができます。 そして・・ こんな状態の葉を拾い集めることができました。ちょっとこれは進みすぎかな? これはかなり進みすぎ。食べるところがほとんど残っておりません。 狙い目はこんなところ。表の葉っぱをどかすと、その下にペッタリと土に張り付いたちょうど良い感じの葉が出てきます。 こんな感じです。最高の状態ですね。 水につけると、このようなローストの効いた美味そうなコーヒー色に変わります。 うむ・・秋はやっぱりムクノキですな・・。 もう少し季節が進めば、またケヤキが供給されることでしょう。 川ミミズの餌で知る、土壌の循環。 地味だけど、とても興味深い世界。 季節の巡りが楽しみです。〈若林〉□
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