晩秋から冬にかけて、楽しみのひとつは川っぷちの茅場を歩くことです。

例えばこんなところ。

茅場にはオギやススキ、アシ(ヨシ)、ガマ、セイバンモロコシなど、さまざまなイネ科の植物が繁茂しています。

田んぼにはこんな風景も。

この時期の茅場、それも人のいない茅場を彷徨うことは、とても心が落ち着く物です。

のんびりと風の動きを感じながら歩きます。

セイタカアワダチソウもこの季節の大好きな植物。この辺りでは最近、以前のようには見られなくもなりました。

光を受ける茅場の美しさよ。

このような動物の毛並みのような枯れ葉を見ているだけで癒されますが、目的のひとつはこちらです。

茅場の中にあるボール状の鳥の巣のようなもの。

これはカヤネズミの巣です。

カヤネズミは日本で最も小さなネズミで、体の大きさは500円玉ぐらいと言われています。

カヤネズミ。私が間近に見たのは一度だけ。ネコに襲われたところでした。写真を撮影したときは生きていましたが、目の前で死んでしまいました。思った以上に小さいと感じました。

他の野ネズミが地面に穴を掘って巣を作るのに対し、カヤネズミは茅場の葉を割いて、編み込んで、ボール状の巣を作ります。

これまでも意識して観察はしていましたが、昨年までは1年に1、2個ぐらいしか見ることができていませんでした。

ところが今年は、いい場所を見つけたこともありますが、探し方のコツを掴んだのか、たくさんの巣を観察することができるようになりました。

多くの場合は使い終わった古巣かと思いますが、秋にも冬にも営巣するとのことなので、基本的には遠目から望遠レンズで撮影をしています。ただ、時には道の脇に作られているものもあるんですよね。

これは道路脇のジュズダマに作られた巣。

使い終わったもののようでした。

ある日の夕方、アシの生えた茅場を見ていると、ちょろっと動く何かが目に入りました。

わかりますでしょうか?

カヤネズミでした!

よく見るとお腹におっぱいのようなものが見え、詳しい方にお聞きしたところ、子育て中の母親ではないかとのこと。

しばし、夕日にあたる姿を見せてくれました。そしてさささーっと水平方向にものすごい速さで走り去っていきました。

わかりますでしょうか?

彼らは茅場の空間を縦横無尽に立体的に利用している印象を持ちました。重力をあまり意識していないかのように。

朝に夕に、仕事の合間に茅場を歩くのが、冬の一つの楽しみです。見えなくてもカヤネズミの存在を感じながら歩けるのは、とても良いものです。〈若林〉□

 

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