一昨日の夜もまた、少しだけ近所の川に、川ミミズの観察に行ってきました。昨年は4月1日に観察することのできた「クリームオヨギデカミミズ」の這い出しを冬場にも確かめることを目的に・・。 無風。そこまで寒くなし。 しばらく歩きますが、いつものように、数匹の死んだり弱ったりしたミミズを観察するのみ。 これは普通に動いていましたが、尻尾が切れたようになっています。 死んでいたり、弱っていたりミミズの多くの場合の共通点として、気になっていることがあります。 それは損傷しているのが体の後ろ半分ばかりであることです。 アオミドロの上にいたミミズ。上半身?は元気に見えますが、尻尾がいくつかに寸断されています。そして光を当てた瞬間、アオミドロの中に逃げていった、犯人らしき、生き物を見たのです。 それは2匹のヨコエビでした。 これを見た瞬間、もしかして、この時期に川ミミズの死骸や弱ったものが河床に現れるのは、ヨコエビやプラナリアによる捕食影響もあるのでは?なんてことを思ったのですが、果たして・・。 一方、水辺の湿った陸地にいるミミズたちは、自分のための坑道をしっかりともち、とてもむちむちと健康体に見えます。河床に出てくるミミズは、生きていても少し痩せていたり、弱っていたり、多くは尻尾を齧られて死んでいたりします。 妄想タイム。 もしかすると、冬場(に限らず?)河床にミミズが這い出してくる理由は、食べ物を求めているのではないでしょうか? 自分の作った坑道の付近でたっぷりと食べ物がある場合は、安全な住処+食べ物によって、健康体でいられるのではないでしょうか。ところが運悪く、食べ物が身の回りに尽きてしまったとき、ミミズは河床に這い出し、移動して(流されて?)新天地を求めるのではないでしょうか。 その時は、食事が十分でないため、体調も万全ではなく、そんな時に河床にあらわになることで、ヨコエビやプラナリアに襲われてしまっているのではないかと・・。そんなことを考えました。 川の中のミミズの天敵には、コイやニゴイ、アメリカザリガニやアカミミガメなど、大型の動物がいることはもちろんですが、それだけでなく、思っている以上にプラナリアやヨコエビなどの「小さな捕食者」が脅威なのではないかと・・川ミミズの観察を続け、そんなことを実感しています。 さて。 この日は今年初めてとなる、15㎝ほどの大型ミミズの河床這い出しを観察することができました。 一見「クリームオヨギデカミミズ」か!?と色めきましたが、ちょっと雰囲気は違いました。 尻尾は色白で似ていたんですけどね。 クリームオヨギデカまでの蛍光発光は見られず。 こちらがクリームオヨギデカの蛍光発光。 体はふわふわでクリームオヨギデカっぽかったのですが、色もちょっと違うし、クリームはもっと細長いのも特徴。 これがクリームオヨギデカ。 そして分類形質のひとつである雄性孔周りの雰囲気も違います。 クリームオヨギデカは、雌性孔がもっと不明瞭で、その辺りに白い模様が広がっているのが特徴です。 これらから「クリームオヨギデカミミズ」ではないと判断しました。 それでもこのサイズの這い出しの観察はうれしいものです。 動きは寒さのためか、とても緩慢でしたが、そこまで体調が悪いようにも見せませんでした。 これはこれで素敵です。光を当ててしまったので、嫌がってアオミドロの中に潜ってしまいました。 彼は一体、何のために這い出していたのだろう・・。 そんな妄想を膨らませるのが、面白いんですよね。〈若林〉□
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