土曜日。今日も仕事。せめてもの慰みに近所の沢へ。

ここはサワガニとカワゲラとトビケラと川ミミズが暮らす小さな湧水の沢。

チョコレートで再現したら、きっと美味しいトビケラの巣。

落葉の間にいる元気なカワゲラ。

おでこにある2つの単眼からフタツメカワゲラの仲間だろうと推察。肉食だそうです。何を食べているのだろう。

沢に降り積もった落葉。下には温かい湧水が流れています。落葉はミルフィーユ状に溜まり、下方にいくにつれて腐植化(熟成のようなものですね)が進んでいます。こんなところはきっと好き。川ミミズの中でも気になっている「マッチョ虹色川ミミズ・タイプ1」の棲家です。

そしてミルフィーユを崩してみると・・。

やっぱりおったー!

太陽光の明るさを嫌って、スルスルと自分の作った坑道へと潜り込んでいきます。一枚ずつ葉を剥がしていくと・・。

ミルフィーユの中のチョコクリーム・・ではなく、土と化した、おそらくは腐植由来のミミズのフン。そこにスルスルとまた潜っていきます(中央に尻尾だけ見えてます)。

さらにミルフィーユを剥がすと・・

出てきました。こんな感じに。腐植と腐植の間で自分のフンで作られた土の中にうずくまるように暮らしています。

さすがに逃げる場所がなくなって、スルスルと・・。

虹色の構造色がとても美しいです。

うーむ。

透明感もあって良いですね。

近くにもう1匹いました。ともに幼体。

おそらくですが「マッチョ虹色川ミミズ・タイプ1」は、湧水場に暮らす代表的な川ミミズなのだと思います。気温に比べて随分と温かい湧水に浸ってぬくぬくとミルフィーユの中で冬を越す川ミミズ。ミルフィーユの中にいる限りは、十分な餌にもありつけるのでしょう。

ただ、川や沢のような水の流れる場所では、餌となる腐植は無尽蔵にあるわけではありません。

私が事務所で飼っている川ミミズの餌を拾ってきた経験からすると、水中は落葉の分解が早く、また流れてしまうこともあるためか、秋に供給された落葉は夏場にはほとんどなくなってしまうのではないかと思います。きっとこの安楽の場も、永遠ではないのでしょう。

その時、きっと、彼らは川底を徘徊し、新たなる餌場へと彷徨うのではないでしょうか。

そんなことを妄想しつつ、現実のデスクワークへと舞い戻るのです。〈若林〉□

 

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