暑い日が続きます。

室内の冷房と野外の熱気の寒暖差にやられ、やや夏バテ気味。少しずつ暑さに体を慣らしていかないとですね。

さて。本日も川ミミズの話題を少し。

2〜3月にかけて、熱心に観察していた小さな川があります。

川底への這い出し行動を観察していたのですが、そこで見られていた川ミミズのうち、圧倒的に多かったのは、私が「マッチョ虹色川ミミズ・タイプ1」と呼んでいる、おそらくはヘンイセイミミズという細長いミミズでした。

長さは主に10㎝ぐらいですが、15㎝を超える大型もいます。頭の近くにある帯(環帯)のあるなしで見ると、成体と幼体の割合は半分ぐらいのようでした。ミミズの種を厳密に見分けることはとても難しいので、私の場合、あくまでも見た目の範疇でしかありませんが、川底に現れるミミズの9割方はこのミミズでしたので、私は「川ミミズの中の川ミミズ」として、強いシンパシーを感じています。

あれから3カ月ほどがすぎ、ひさびさに朝方、川を覗きに行ってみました。

ヘンイセイミミズは一年中、成体を見ることができる(卵以外で年を越す)越年生の地中種(浅層性)と言われています。『ミミズ図鑑』に出現時期の表がありますが、一年を通して一様に幼体も成体も出現するとされています。

私が2〜3月に観察していたのは、主に10㎝前後の成体と幼体でしたが、いずれもだいぶ成長したものでした。さらに小さなものはほとんど観察できていませんでした。

それらが3カ月経った今、どのようになっているのかを知りたくて、観に行ったのです。

結果として、春に見たようなサイズのヘンイセイミミズらしきやつは、見ることができませんでした。

観察は朝方でしたから、もしかしたら夜になれば、這い出す姿が観察できるのかもしれません。なのでまだいないと結論づけるのは早いのですが、少なくても少し川底の石をどかしたり砂礫を掘り起こしたりする限りでは、その姿を見ることはできませんでした。2〜3月には、少し砂礫を掘ればすぐに現れましたから、その違いは明白です。

気になったのは、ヘンイセイミミズらしきやつの代わりに、川にあるミミズがたくさんいたことです。

それはこちら。長さは13㎝ほどでしょうか。太いスジの目立つ、おそらくはフトスジミミズではないでしょうか。

壁を上る姿も。

短めのやつもいました。

これもそうかな?

湿ったところにもご覧の通り。

フトスジミミズだとすると、一年生の表層種です。冬になる前に成体はすべて死に、卵で冬を越すタイプですね。

そして同じく一年生の表層種であるキクチミミズもたくさんいました。これは石をどけたところ。

別の川では6〜8月中旬まで大量に姿を現すミミズです。

別の川の観察で、私は6月末から7月にかけて、一年生の表層種である、ヒトツモンミミズやキクチミミズが一気に川に出現し、夜間を中心に川で姿を露わにする様子を観察しています。

こんな感じ。

一年生とは冬までにすべて成体は死んでしまい、卵で冬を越すタイプです。彼らは川では、夏の始まり(6〜7月初旬)とともに姿を現す頻度がギュッと増えて、お盆をすぎる頃(8月15日すぎ)になると一気に姿を減らします。

夏の2カ月ほどの間だけ、一気に数を増やすんですね。

2〜3月にはヘンイセイミミズらしきやつばかりだった川は、3カ月を経て、一年生の表層生のミミズが目立つ川になっていました。

では、ヘンイセイミミズらしきやつはいなかったのかと言いますと・・。

4㎝ぐらい。2〜3月に観察していたサイズよりも明らかに小さな、それらしきやつがおりました。実際、これがヘンイセイミミズであるかどうかも分かりはしないのですが、この細長い形は、それっぽくありました。

夜の観察をしてみないと確かなことは言えませんが、早春にたくさん観察できていたミミズがいなくなり、夏のミミズが増えてきた実感はあります。それがなにを意味しているのかを、もう少し考えていきたいと思っています。〈若林〉□

 

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