今日は猛暑。かなり暑い埼玉南部です。

昨日やや興奮気味にアップしましたこちら。

ヒゲナガカワトビケラの捕獲網に収まっていた(おそらく)フトスジミミズです。私はかねてから、河床を徘徊する川ミミズがヒゲナガの捕獲網から有機物をせしめて食べているのではないかと考えておりまして、そのひとつの手がかりを見た気がしたのです。

そして昨晩、またちょっと見にいきました。

変わらず収まっていてくれたらいいなーと思って。

ですが残念。この日、ヒゲナガネットに収まった川ミミズを観察することはできませんでした。

同じところにいないのは当たり前なんですよね。なぜならミミズは光が苦手な夜行性ですから、夜が明けると鬼滅の刃の鬼たちのように(?)、そそくさと闇へと逃げ去ってしまうのです。なので昨日とまるで同じ形で出会えることは、まずあり得ないと思っています。日中の明るさで、すべては一度、リセットされてしまうのです。

この日も6匹ほど見ましたか。小雨が降っていたので少し期待したのですが、前日より観察例は減ってしまいました。

 最も大きな収穫はこれでした。砂の穴から頭を出してスルスルと抜け出てきた瞬間を観察することができたのです。

これは実は、なかなか見られないんですよね。なぜなら彼らは夜になると川底から這い出してくると考えているのですが、それは意外と一瞬のことのようで、大抵はいるか、いないか。もしくは光などを嫌がって、頭を砂礫の下に隠して尻尾だけ出ているか。この3パターンがほとんどです。川底から頭を出して、そのまま出ていったということは、彼らが日中は川底に潜んでいることの証でもあるでしょうから。これは地味に嬉しい観察です。

え? 二面護岸なら日中は川底にいるのは当たり前なんじゃないの? と思われるかも知れません。思われないかも知れません。ただ、どうしても潰せない可能性がひとつあります。それは上からの供給です。川の上は両岸とも土になっていますので、そこから這い出したものがポトリポトリと川の中に落ちてきて、そのワンシーンを私が観察しているだけ・・という可能性だってあるのです。

まあ、実際に夜這い出してくる場所で、日中に砂礫底を少し掘れば、彼らは姿を現してくれますから、そこにあまり疑いはないのですが。それでも這い出してくる瞬間は貴重です。途中で白色ライトを当ててしまったので、異変を察知して去ってしまいました。

この日は他に、3例ほどアオミドロの中に収まっている姿を観察しました。これもまたヒゲナガの捕獲網と同様の意味を持っていたりするのかも知れません。しないのかも知れません。

きっと彼らはヒゲナガの捕獲網を「求めて」やってくるわけではないと思います。偶然出会った捕獲網やアオミドロでそこに引っかかっている何かを食べたりするのだと思います。

おそらくその可能性を上げるのは、効率よく広く動くこと、なのではないかと考えています。

他には石の下に頭を突っ込んでいるやつや(石の上の卵状のものが気になります・・)。

これなどは尻尾が捕獲網に引っかかってますね。もしかしたらむしゃこらした後だったのかも知れません。

普通に歩いているやつも。

では一方、ヒゲナガの捕獲網はどうだったのかと言いますと・・

壁に石を貼り付けた?形。

張りたてが多く、まだゴミがネットについておらずきれいです。

良い感じー。

こっちは少し前に張られたやつかな?

ちなみにヒゲナガが捕獲網を張るのは、当たり前ですが流れのあるところです。流れがないと、網に引っかかるものが流れてきませんから。なのでそんなところに現れる川ミミズもまた、流れの中を這ってくるというわけです。

結構、美しき・・。

良いですね(石の上の豆粒みたいなのが気になります)

ふむふむ。いませんね。

ここはまだ張り途中かな?・・あ!

いました! ヒゲナガカワトビケラの幼虫です。

こいつもまた川ミミズと同じく白色ライトを嫌がります。すぐに姿を消してしまいました。きっと張っている最中だったのでしょう。

 

とまあ、こんな感じで、捕獲網はポツポツ張られており、川ミミズはポツポツ川底を這っています。なのであとはタイミング次第。きっとまたネットをむしゃこらしている姿が見られるはずです。その頻度が体感的に高いようならば、そこに滞在している時間が長いのではないか?とも考えられますし、だとするとやはり川ミミズにとってヒゲナガの捕獲網は何らかの意味があるのでは?・・ということにもつながっていきます。

妄想を膨らませるために、今しばし追ってみます。〈若林〉□

 

【お知らせ】川辺の自然観察をまとめた一冊、『武蔵野発 川っぷち生きもの観察記』発売中です!(アマゾンの販売ページはこちら

★RIVER-WALK Vol.1~Vol.3発売中です!★