毎日暑いですね。本当に暑い埼玉南部です。 さて。 このところ観察を続けている被食者としてのカブトムシ。 このように「埋葬蟻」ことトビイロシワアリの埋葬から興味を持って、いろいろ見ていましたら、あるところにカブトムシの死骸が多数落ちていることに気付いたのです。 そして科学的な研究によると、ハシブトガラスとタヌキが主な捕食者なのだということも。 週末のことになりますが、新たな場所を見つけてしまいました。 クロカナブン。トビイロシワアリよりも小さな茶色いアリがたかっていました。 こちらはノコギリクワガタ。立派な水牛タイプですね。 こちらはノコギリクワガタの小型オス。子どもの頃、ニンジンなどと呼んでいたタイプです。 メタリックグリーンの美しいタマムシも。 この観察を初めて気付いたのは、タマムシの死骸が意外にも多いことです。 そしてカブトムシ。この場所の特徴は、トビイロシワアリによる埋葬があまりされていないこと。食べられて間もないのか、アリがいないのか。それとも別の理由でそのままなのか。 決まって腹がなくなっています。捕食者にとってカブトムシの美味しい箇所は腹なのです。 このように羽が途中でちぎれているものも多くいます。おそらくはハシブトガラス。科学論文によると、タヌキの場合は決まってかじった歯型が残るのだそう。 これもハシブトガラスでしょうか。背中側からだとあまり傷ついていないようにも見えますが、見事に腹はなくなっています。 ここのオスカブトは赤みが出ているものも多いように感じました。そして前の場所に比べてやや小型。 これはメスですね。 こちらもメス。メスの場合、このように羽もない状態のものが多いように思えます。 ちょっと意外だったのは、このような頭しかないオスカブトを見たこと。最初の場所では、このような死骸はほとんどなかったように思えます。羽は破られてはいましたが、たいてい少しは付いていたような気がします。 羽を一部破られたメスカブト。 こちらのオスカブトも1枚羽が残ってはいますが、最初の場所ではあまり見られないぐらい、きれいに食べられています。それにしても被害者の数が多い。 カブトオス、カブトメス、ノコギリクワガタのオス。 自分の羽を抱くメス。 こんなのもハシブトガラスなのでしょうか。かじられている感じはタヌキっぽくもありますが、正直わかりません。 羽が全て残っていたメス。 栗のようなオス。 結構、羽の損傷が激しいオス。タヌキなのかカラスなのか。 別角度。牙の痕っぽくも見えますが・・。 次から次に見つかる死骸を観察しながら下向いて歩いておりますと・・。 なんとなんと、このような場所があったのです。 うわぁ・・・。一カ所に大量に・・。 これ、驚いたことに、すべてオスでした。科学論文プレスリリース(こちらです)には、オスのほうが(そしてツノの長い立派なオスほど)目立つのと樹液場に長時間いるためか捕食者に襲われやすいという研究結果がありました。それにしても・・。 そして、この食事場の特徴は、実にきれいに食べられていたことです。 羽はほとんど残っておらず、胸から上の部分ばかり。 これはタヌキの牙あとなのか? それともカラスのクチバシなのか? このようにツノが取れていたものも多く見られました。 うーむ。栗のよう・・。見事に食べられています。 カニやエビをとてもきれいに食べる人がいますが、それと似たようなものなのか? カブトムシを食べ慣れている美食家?がいるのでしょうか・・。 並べてみたところ、9個体でした。すべてオス。そして、ご覧の通りのムダのない食べっぷりです。 これは最初の場所の食痕です。このような荒っぽい?食べ方とは明らかに違う様相。 これも最初の場所ですが、ムダが多いですよね。 これも最初の場所。 こちら新しい場所の、また別のやつ。胸の殻まで破られて味わい尽くされている?かんじ。 一体、なにものの仕業なのでしょう? 一つ気になったのは、観察中に低い枝でガーと鳴いた若いカラスがいたことです。ガーだからハシボソガラス? ただ、それ以上のことはわかりません。周囲に足跡を探してもみましたが、固く乾き切った地面で判別できませんでした。 もう一度、先ほどのこちら。 これは食べ方の同一性を見るに、おそらく同じやつが食べた痕でしょう。 この現場の上には、大きめの木(種類は判別できず)が張り出していましたが、おそらくは地面で食べたのではないでしょうか。木の枝から落としたにしては、一カ所に集まりすぎていたのと、羽がほぼ見当たらなかったことも不自然です。 気になるのはツノです。後から落ちたのか? 死肉食昆虫による仕事なのか? それとも頭の脳髄こそが美味であること?を知っているのか・・。 いずれにしても相手の一部はカラスです。優れた知能の持ち主。「種」だけで考えるのはキケンでしょう。個体ごとにもだいぶ食べ方には差があるのではないか・・。 そんなことを感じさせる観察となりました。〈若林〉□
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